写真はイメージ（ShutterStock）

イギリスの街でギターを弾く男性。彼はホームレスなのだが、TikTokの動画をきっかけに一躍人気になり、約150万円ものお金を集めたという。 【実際の動画】約150万円の寄付金を得たホームレス男性と、披露した歌

ビザの問題で母国に強制送還、ホームレスに

ジョン・メカトーフ（59歳）は、世界各地で音楽活動を行ってきた。28歳のときにリバプールを離れると、最初は中東、そしてヨーロッパ各地をめぐった。スペインにいたときにはある女性と結婚して、ふたりの息子ももうけた。 そんな彼の音楽家としての人生が一変したのは、2023年のことだ。ガールフレンドのヘーゲとノルウェーに5年ほど滞在していたのだが、ビザの問題でイギリスに強制送還されたのだ。 「ある日、ドアをノックする音がした。彼らは1時間以内に『持てるものを持ってこい』と言い、一晩刑務所に入れられ、翌朝にはイギリス行きの飛行機に乗せられた」 イギリスのリバプールに戻ったジョンは両親の家にしばらく滞在していたが、母が病を患い、父も病気だったため、「もうそこにいることはできなかった」という。 その頃にはヘーゲもイギリスにやってきて、ふたりで一緒にアパートに暮らし始めたのだが、部屋の手配がうまくいかず、車での生活を余儀なくされてしまう。こうしてジョンとヘーゲの車でのホームレス生活が始まったわけだ。

通行人が撮った動画が大バズリ

ジョンはリバプールでも相変わらずギターの演奏を続けていた。あるとき、スーパーの外で演奏していたら警備員に追い払われてしまったので、マクドナルドのドライブスルーの近くで演奏を始めた。そんな様子にたまたま出くわし、動画に撮ったのがスティーブン・フリン（43歳）だ。 彼はその動画をTikTokに投稿。すると「すさまじい反響を呼び、動画が爆発的に広まった」という。投稿から3週間ほどで再生回数は1,100万回を超えたのだ。ジョンが車中生活を送っていることを知らなかったというフリンだが、その後もジョンの動画を投稿していくと、コメント欄には「クラウドファンディングはある？ どうやったら彼を助けられる？」という声が寄せられるようになった。 その声に応え、フリンの妹のメリッサはクラウドファンディングを立ち上げ、彼を支援したい人に募金を呼びかけたのだ。結果として7700ポンド（約150万円）近くの寄付金が集まることとなった。 思わぬ反響に驚いたというジョン。この寄付金でキャンピングカーを購入し、ヘージとともにイギリス中をまわって演奏したいと考えているそうだ。 ホームレス生活を送ることになったジョンだが、彼の演奏が多くの人たちに届き、それが別のカタチで返ってきたのかもしれない。

【出典】 https://www.tiktok.com/@steflynn748/video/7405187727127301408 https://www.gofundme.com/f/john-the-homeless-man-with-a-talent https://people.com/homeless-musicians-performance-goes-viral-leads-thousands-donations-exclusive-8704245