「合理的配慮」義務化 自販機の新“バリアフリー”【WBS】
障がいのない人にとっては「便利」なモノでも、障がいのある人にとっては逆に「不便」になってしまうモノもあります。そのひとつが自動販売機です。車いすでは高い所の商品のボタンが押せない、目が不自由な人にとっては商品がどこに並んでいるかわからないなどの課題を抱えています。4月からこうした障がいのある人の「社会的な壁」に配慮することが企業などに義務化されるのを前に25日、自販機向けの新たなサービスが発表されました。 横浜市にある日本盲導犬協会の訓練センター。職員の押野まゆさんは高校生のときから目が不自由になりました。今は盲導犬のバロンと一緒に働いていますが、頼りになる”相棒”の力を借りても乗り越えられない壁があるといいます。 それは自動販売機です。押野さんが日本盲導犬協会のSNSに上げた動画。欲しかったものとは違う商品のボタンを押してしまいました。視覚障がい者にとって、自販機での買い物は大きな壁の一つなのです。 「1人だとそもそもどんな飲み物がどこにあるのかを把握するのが難しい。内輪では自動販売機はロシアンルーレットだと話題になる」(押野さん) 日本盲導犬協会が行った調査によると、自販機などのタッチパネルやボタンなどの操作について不便を感じている人が3割以上にのぼります。 「どんな人が利用するのか考えながら、必要なことをしてもらえたらうれしい」(押野さん) こうした壁を解消しようと25日、新たに一つの形が示されました。 「視覚情報だけではなく、触覚、聴覚情報を組み合わせることによってアクセス、アシストできるようになった」(「日本コカ・コーラ」マーケティング本部の宇川有人さん) 使うのは、コカ・コーラのアプリ「Coke On」。スマートフォンで飲み物を購入できる機能を拡充させました。来月8日に開始し、全国48万台に対応します(一部機能は来月下旬から)。 「今、手元に1秒周期で単発の振動が伝わっています。自販機の方に近づくと、接続をし、大きな揺れが私の手元に伝わります」(後藤貢ディレクター)