「合理的配慮」義務化 自販機の新“バリアフリー”【WBS】
目の見えない人を振動の強弱によって自販機がある場所まで案内すると、そのまま自動で接続。購入できる状態になると強い振動で教えてくれます。 さらにスマホに搭載されている音声認識機能を利用し、商品名を言うだけで購入が可能になります。これにより、自販機の上段にある商品のボタンに手が届かなかった車いす利用者も簡単に購入できるようになります。 このような取り組みを進めるのには理由があります。4月に施行される改正障害者差別解消法により、企業や商業店舗は、障がい者の抱える「社会的な壁」に配慮する義務を負うようになるのです。 「自販機は日本に欠かせない社会インフラの一つ。皆さんにより使いやすく、もっと便利ということを目指していきたい」(「日本コカ・コーラ」の宇川さん)
自動ドアの不安解消へ
壁を取り除く取り組みはほかにもあります。自動ドアの販売などを行っている「フルテック」。視覚障がい者からドアが開いた状態なのか閉じた状態なのかわからず不安だったという声が寄せられていたといいます。 そこで今、開発を進めているのは「スマートフォンのアプリに対応して、自動ドアの動きを障がい者の属性に合わせたものにする自動ドア装置」(フルテックの古野元昭副社長)。 自動ドアにセンサーを取り付け、専用のスマホアプリと連携。アプリではドアの開閉や速度など、個人に合わせた細かい設定が可能になります。例えばボタンを押して開けるタイプの自動ドア。アプリで設定し、車椅子の人が近づくと、ボタンを押さなくてもドアが開きます。 さらに視覚障がい者向けの設定をすると、音声でドアが開いたことを案内をしてくれます。現在最終的な実証実験を行っていて、今年の秋の発売を目指しています。 「役所や病院といったところからスタート。障がいがある人にとって一つの壁であった自動ドアが今回のシステムによって解消され、みんなが出かけやすい社会になってくれれば」(古野副社長) ※ワールドビジネスサテライト