船を結ぶ「綱が切れた」“イワシの取れ過ぎ”原因か…鹿島沖で漁船転覆2人死亡3人不明
茨城県の沖合で6日未明、イワシ漁をしていた20人乗りの漁船が転覆し、2人が死亡、3人が行方不明となっています。救助された乗員の1人は「網に魚が多く入ったことで船が傾いた」と話しているということです。 【画像】船を結ぶ「綱が切れた」“イワシの取れ過ぎ”原因か…鹿島沖で漁船転覆2人死亡3人不明
■鹿島沖で漁船転覆 2人死亡
救助にあたった人 「毛布をみんなで持っていって。引き上げて本船にあげて。AEDもやってみたけど」 転覆した漁船は、茨城県の大津漁協所属の『第八大濱丸』。現場は茨城県鹿島港沖、約31キロ。乗船していた20人のうち、17人が救助され、3人が行方不明となっています。 海上保安庁に通報があったのは午前2時8分。無線で連絡を受けた他の船団から、何隻も現場に駆け付けました。 救助にあたった人 「うちらが網漁やっている時、無線で『助けてください。緊急で今、人が海に投げ出されたので、船が沈んだので、救助をお願いできますか』と」 救助された17人のうち3人は、意識が朦朧とした状態だったといいます。 救助にあたった人 「体もあっためて拭いて、心臓マッサージもAEDもやろうとしたんですけど、心臓マッサージしてくださいと。何回もやったんですけど。30~40分はやった方がいいみたいになって」 3人は病院に搬送されましたが、50代と60代の男性が亡くなりました。 大津漁業協同組合 坂本善則専務理事 「今、行方不明者3名いるので、その方たちの捜索に全力をあげる。今のところはそういった状況」
■巻き網中にバランス崩したか
第八大濱丸はマイワシの巻き網漁を行っていました。転覆したのは、網を揚げていた時に起きたとみられます。 大津漁業協同組合 坂本善則専務理事 「5日正午ごろに出港。1回操業して、2回目の操業時にこのような事故になったと。午前0時14分に2回目の投網を開始。我々に第一報が来たのが午前2時ですか」 巻き網漁は、主に魚群を探す“探索船”と、網で魚を捕る“本船”、魚を運ぶ“運搬船”で行います。転覆した第八大濱丸は本船で、円形に網を仕掛け、魚群を囲んで、網を引き揚げます。網はクレーンで引き揚げますが、バランスを保つため、探索船などで引っ張ります。本船で捕った魚は、そのまま運搬船に積み込み、港へと運びます。 無線で救助を呼び掛けたのは探索船でした。当時、海の状況はどうだったのでしょうか。 救助にあたった人 「私たちからすると、穏やかな部類の海」 (Q.漁にも問題は) 「影響ないです」 転覆の原因として考えられることは…。 救助にあたった人 「巻き網船は大体右側に網を持つの。右舷側に。その時に魚が押すんだよ。網を押すの下に。船がたまに傾くんだけど、その傾き加減で“横転”、横転から“転覆”になって」 (Q.イワシは多かった) 「きょうは意外と量的には多くて」 (Q.そういう船が傾くのはよくある) 「少々の傾きはあります」