ダルビッシュ なぜア軍だけに勝てないのか?
「ダルビッシュに限らず、ウチは左打者が多いので右ピッチャーに備えることができる。他に特徴的なのは、代打起用。ウチは、多分レイズと並んで代打が多い。それも、功を奏しているかもしれないね」と、メルビン監督は付け加えた。 一番クリスプと二番ラウリーはスイッチで、主砲モス、レディック、ソガード、ジェイソの6人が左打席に入る。代打起用は6月13日試合前時点で、リーグ2位の72回。16安打、13四球はリーグ1位。長打5、打点11は1位タイ、打率417は2位と、代打策の成功が目立つ。好投手を中盤で引きずり降ろした後に、中継ぎ陣に襲いかかるのが、これら層の厚い代打陣。オールスター級の選手はいなくとも、控え選手も一丸で執念深く勝ち星を拾っていくのも、ア軍の得意とするところだ。 ブラッド・ピットが演じるビリー・ビーンGMが、データを駆使するセイバーメトリックスを元に補強を重ね、資金力の乏しい球団が、金持ち球団に対抗しする姿は、映画「マネーボール」で一躍有名になった。フロントがデータに基づいた補強を進め、コーチ陣が戦略を練り、選手が実戦する。鳴り物入りでメジャーに来るエリート投手の攻略は、まさに、『マネー・ゲーム』の象徴と言えるかもしれない。 最後に、今季の開幕時3月31日付けで「USA TODAY」 紙が伝えた球団別の年俸総額を付け加えておく。レンジャースの総年俸は、約1億3249万ドル(約138億円)、アスレチックスは7722万ドル(約79億円)。大リーグトップは、ヤンキースから16年ぶりに1位の座を奪ったドジャースの2億4112万ドル(約246億円)である。