ダルビッシュ なぜア軍だけに勝てないのか?
初完投&初完封で7勝目を挙げたレンジャースのダルビッシュ・有投手(27)の次回登板は、順当なら17日(日本時間18日)のアスレチックス戦となりそうだが、そのチームを昨年から8試合で7連敗と、苦手にしている。12年5月16日の初対戦で勝ったのを最後に、勝ち星はなく、4月28日の前回対戦では、3回1/3のメジャー最短KOを喫した。今季12試合に投げて7勝2敗、防御率2.11。2年連続の球宴選出も視野に入れているダルビッシュは、なぜ現在西地区首位を走るアスレチックスに勝てないのか。今季2度目の対戦を前に、ア軍を率いるメルビン監督が“マネーボール軍団”としての攻略の極意を語った。 「前置きしたいのは、彼のような投手に、いい結果を出せているのは、幸運だということ。基本的には、彼に球数を投げさることによって、突破口を開くアプローチを続けている。それが、結果に繋がって、選手にある種の自信が芽生えていることもあるだろう」。 今更隠すまでもないようで、攻略の基本方針は“Make him work”(球数を投げさせる)と、指揮官は公言する。徹底的に球を見極め、ボール球に手を出さない。追い込まれてからも臭い球はファウルで逃げる。「ダルビッシュに限らず、いい先発投手は、別に打ち崩さなければならない訳ではない。如何に早くマウンドから降ろすか。そして、中継ぎの中で一番タフな抑えが出てくる前に、出来れば、ミドルガイ(セットアッパー)たちと勝負する。好投手との対戦では、そういう風にゲームプランをデザインする。ダルビッシュの試合では、幸い、巧くはまるケースが重なった」。 指揮官がKOする必要がないというように、過去9度の対戦で、ダルビッシュはクオリティスタート(6回3失点以内)が5回。確かに、滅多打ちされている訳ではない。田中将大投手と対戦した5日のヤンキース戦では、1-2で惜敗したが、田中を6回104球で降板させた段階では、ある意味、目論み通り。中継ぎを打ち崩せなかったが、手順は踏んでいた訳だ。