高齢者の脱水“5つの原因”とは? 年間を通して脱水対策が必要な理由【介護福祉士解説】
高齢者の脱水症を予防する方法は?
編集部: 脱水症対策について教えてください。 尾﨑さん: こまめに水分補給を行う、部屋の温度を調整する、気候にあった服装をする、食事をしっかりと摂る、運動を行うなどが挙げられます。特に高齢者は暑さを感じにくいために真夏でも長袖を着用していたり、厚めの布団をしっかり掛けて寝ていたりすることがあります。厚着をする必要がないことを伝え、気候にあった服装や寝具に変えるよう促しましょう。また意識して水分補給ができるように、起床時や入浴後など必ず補給する時間を決めておくとよいでしょう。 編集部: 水分摂取が難しい場合はどうしたらよいですか? 尾﨑さん: 嚥下に問題があればとろみをつけることをおすすめします。水分を摂ることに抵抗があれば、ゼリーなら食べられるという方もいらっしゃいます。お茶や経口補水液でゼリーを作ってみるのもよいでしょう。 編集部: 食事をしっかりと摂ったほうがよいのはなぜですか? 尾﨑さん: 食事には醤油や出汁などに塩分が含まれているからです。毎日の食事をきちんと摂るだけでも脱水症予防になります。また水分補給は水などの液体を飲むことと考える方が多いと思いますが、食べ物やスープなども大切な水分の摂取源です。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 尾﨑さん: 高齢者の脱水は命の危険につながりやすく、注意が必要です。若い人よりも重症化しやすいため、夏に限らず年中対策が求められます。高齢者の中には自分で対策をすることが難しい方もいらっしゃいますので、周囲の人が意識して対策することを心がけてください。
編集部まとめ
高齢者はさまざまな機能の低下によって脱水症を引き起こすリスクが高くなっています。また脱水症になると命を落とす危険性も高まりますし、冬場のかくれ脱水にも注意が必要とのことです。年間を通して脱水症対策を行い、疑わしい症状が出た場合は経口補水液の摂取と病院の受診を検討するようにしましょう。
【この記事の監修介護福祉士】
尾﨑 佳奈 介護福祉士 福祉系の4年制大学卒業、社会福祉士と介護福祉士の資格を保有。中途の聴覚障害がありコミュニケーションに困難があるものの、大学卒業後は障害者支援施設で2年半生活支援員として勤務。その後地域密着型特別養護老人ホームで介護福祉士として5年半勤務。現在は子育てをしながら、主に福祉系のwebライターとして活動中。
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