圧倒的な合格実績は「信用できない」との指摘も…いきなり閉鎖!「ニチガク」関係者が憤る経営悪化「本当の実態」
合格実績は本当?
「力のある先生は各教科にいました。例えば英語ではTOEICで990点とった先生や、指導力に優れた講師もいました。ただ、そもそも講師の採用基準があいまいでした。多くの講師は講師仲間のツテで紹介され、江藤さんに数分面接されて、その場で採用が決まったと聞いています。私の場合はテストも模擬授業も行われませんでした。宮正さんは採用には関与していないと思います。私自身、ほとんど会ったことがありません」(前出のニチガクで働く講師) 最大の問題は、「合格実績92%」とされる数字が疑わしい点だ。 生徒の担任経験のある元スタッフは、「その数字は全く信用できません。水増しされています」と告白する。 「実は誰も合格者の集計をしていないんです。あの数字は適当に作られたものだと思います。普通の予備校では、生徒の志望校や合格実績を報告するのが当たり前です。 ほかの予備校で勤務経験がある職員が生徒の合格発表を聞いて『誰に伝えればいいですか?』と直属の上司に尋ねると、『報告しなくていい』と言われて驚いていました。そもそも合格実績を盛る方針なので最初から調べていないんでしょう」(元スタッフ、以下「」も) 担任だけは、自分が受け持っている生徒たちの合格実績を把握していた。 「ある年の私が受け持った生徒の現役合格率は、50%程度でした。その多くはMARCHや日東駒専、あるいはそれ以下の大学を受けています。国公立や医学部に多数合格していると宣伝されていますが、そんな実績はありません。早慶を受ける学生も少なく、合格はごくわずか。東大なんて受ける生徒すらまれ。合格者は数年に1人か2人程度ですよ。合格者がいなくても適当な数字を発表しているんだと思います」 有名大学を中心に、在席生徒数の「92%が合格」というのは、はたして本当なのか。 ニチガクの運営会社「日本学力振興会」の代理人に、合格実績の虚偽掲載について尋ねると、「当職では把握していません」と書面での回答があった。 「ニチガクは基本的には誰でも受け入れる方針で、入塾審査でクラス分けはしますが落とすことはまずありません。優秀な生徒だけを厳選しているわけではないので、進学塾というよりも学習塾に近い存在だといえます」(前出の元スタッフ、以下「」も) 合格実績は予備校選びの大切なポイントとなる。少子化が進む中、生徒を確保するために数字を誇張してきた可能性があるのではないか。