圧倒的な合格実績は「信用できない」との指摘も…いきなり閉鎖!「ニチガク」関係者が憤る経営悪化「本当の実態」
1月4日、東京・新宿にある老舗の大学受験予備校「ニチガク」が経営悪化による、破産を視野にいれた債務整理を始めたため突然閉鎖された。その背景には「ずさんな経営」があった。前編記事『受験前にいきなり閉鎖!すでに授業料「100万円以上」支払った生徒もいたのに…老舗予備校「ニチガク」にみえていた「破滅の兆候」』に引き続き、関係者に内情を取材した。 【一覧】早慶、上智、明治…史上初の学部別「序列ランキング」を全公開する!
問題視されていた営業スタイル
ニチガクは創業40年の歴史ある老舗予備校で、「合格のカギは絶対的な質と量」というキャッチフレーズが目を引く。東大や有名私立大学、国立大学、医学部などへの合格者も多く、92.7%という高い合格実績を謳っている。 昨年3月で引退するまで、40年以上大学受験の指導に携わっている宮正和彦氏が塾長を務め、経営などは昨年10月まで取締役だった江藤行雄氏が行ってきた。 騒動が起きたのは、今年1月4日のこと。ニチガクの運営会社「日本学力振興会」が自己破産を視野に入れ、債務整理を進めていることが判明した。 実は破産の兆候は昨年10月ごろから表面化していた。運営会社「日本学力振興会」の代理人によると、このころには運営会社が債務整理の相談を始めていたという。おまけに同時期から講師への給与未払いが発生していたのだ。 運営会社の不誠実な態度は従業員だけではなく、生徒たちも向けられていた。 ニチガクで世界史を教える非常勤講師の森川晶雄さんはこう話す。 「勧誘時に大げさなことを言ったり、合格実績を誇張したりしていました。『カネ払って入れたらこっちの勝ちだ』といった話を何度も耳にしました」 その営業スタイルは、予備校内外で問題視されてきた。 「営業方法は電話と体験授業後の2パターンあります。そこで『ウチの塾では有名大学の准教授が直接授業をしており、入試問題など内部情報を教えてくれる』などと根拠のない話をしていました。そうした話が聞こえてくるたびにうんざりしていました。とにかく入塾させろ、頭数を確保しろ、という方針だったようです」(ニチガクで働く講師) ニチガクのホームページには、以下のような内容が記載されている。 《講師は、何千、何万人もの受験生たちを大学合格へ導いてきた、大学受験のプロフェッショナルばかりです。全国大手予備校での指導歴がある講師や、人気参考書・問題集の執筆者も多数在籍しています。大学受験におけるツボやポイント、攻略法を隅から隅まで熟知したプロだからこそなしえる合格力アップの真髄をとことんニチガクの教室で体感してください》 実際には「有名大学准教授」などの文言はどこにもない。