「学校に行きたくない」小1の5月から不登校に悩んだ親子の葛藤。荒れていく息子、母親も鬱に……
「学校に行けてすごい」の圧力
「完全に学校に行かなくなる2年生の冬頃までは、付き添い登校をしたりしながら、給食だけとか行けそうな時には学校に行くようにしていました。 自分が学校に行けたらお母さんが喜ぶから、困らせないから、頑張ろうとしていたんです。 2年生の春には休まずに学校に行けたりして。私も先生も「毎日学校に行けてすごいね。頑張ってるね」って声をかけてたんです。 その声に応えるように、もっちんは「頑張りたい」と言って学校に行ってました。」 行けたり行けなかったりに親子で一喜一憂する日々。 この頃までは学校を休むのは、いつか自然に学校に行けるようになるための一時的な「応急処置」だったとじんこさんは振り返ります。 「学校に行けてすごいね、と褒めればもっちんは嬉しそうにさらに頑張ろうとしていました。でも、本人自身は学校に行くことを望んでいたわけではないんですよね。 「学校に行けてすごい」「頑張ってる」という言葉の裏には「学校に行けない子はすごくない」「頑張っていない」とメッセージを送っていたのと同然なのかもしれません。」 息子さんは次第に活気を失い表情に乏しくなっていきました。
荒れていく息子、自身も鬱に
学校に行けたり行けなかったりする中、じんこさんにも異変が起こります。 「付き添い登校で学校に行くと私の心臓がバクバクしてしまうんです」 以前はよく先生に言われていた「学校来てしまえば楽しそうにしていますよ」という言葉も聞かなくなっていたそう。 このままでは親子共倒れになると思ったじんこさんはメンタルクリニックを受診、軽度の鬱と診断されました。
居場所探し、戻れなくなる不安
しばらくは休もうと決めた二人。 学校に変わる「居場所」を探し始めました。 しかしそれも難航します。 学校からは「長く休むと戻りにくくなるから」と給食だけなど、部分的にだけでも学校に来るよう勧められるものの、その言葉にも苦しみます。 このままでは行けなくなくなるかもしれない、という焦りやプレッシャーが二人を追い詰めました。