高市早苗氏でも、小泉進次郎氏でもない…「余命は長くて6カ月」石破政権の次を狙う"自民党のキーマン"
国民民主党は岸田政権下でもガソリン税減税を進めるために補正予算案に賛成した。この時、自民党側の交渉窓口になったのは、副総裁の麻生氏や幹事長の茂木氏だった。国会のキャスティングボートを握った国民と太いパイプを持つのは、麻生氏と茂木氏なのだ。ふたりは国民の支持基盤である連合とも密接な関係を築いている。 茂木氏は石破政権で無役に転じ、麻生氏と歩調をあわせて非主流派の立場を鮮明にしている。来春に石破首相が退陣すれば、緊急総裁選に再び名乗りを上げる公算が高い。9月の総裁選は党員票が伸び悩んで惨敗したが、緊急総裁選は国会議員票だけで決まる。 茂木派は今回の総選挙で候補者33人のうち27人が当選し、自民惨敗のなかで踏みとどまった。麻生派も候補者40人のうち31人が当選し、安倍派壊滅のなかで相対的には勢力を増したといえる。麻生氏が高市氏よりも茂木氏を擁立したほうが緊急総裁選で勝てると判断する可能性は十分にある。国民民主党との密接な関係も決め手になるかもしれない。 ■維新は交渉相手にならず 日本維新の会は総選挙敗北で馬場伸幸代表の進退問題が浮上して党内が混乱し、自公との協議どころではない。国民民主党と競い合って自公に接近するのか、対決姿勢を鮮明にするのか、新体制が固まるまでは見通せず、当面は主要プレーヤーから離脱しそうだ。 自民党ではこれまで橋下徹氏や松井一郎氏と親密な菅氏が維新との窓口役を担ってきた。菅氏は9月の総裁選で担いだ小泉氏の惨敗で影響力が低下しており、維新の新体制との交渉を誰が主導するのかは不透明である。 いずれにせよ、自公過半数割れを受けて野党との協議が不可欠となる国会情勢のなかで、高市待望論が高まる気配は今のところない。 少数与党政権は極めて脆弱だ。国民民主党に反旗を翻された時点で、いつでも内閣不信任案が可決されてしまう。石破首相には解散総選挙で対抗する力はなく、内閣総辞職に追い込まれるだろう。予算案も法律案も自公与党だけで成立させることはできない。国民との協議が整わず、立憲や維新を引き込むこともできなければ、石破政権はたちまち立ち往生する。 石破政権は萩生田氏ら非公認議員や無所属議員の6人を自民党会派に入れたものの、過半数にはなお12議席届かない。今後も野党議員の一本釣りを画策するだろうが、それだけで過半数を回復するのは難しそうだ。 ■打開策は「自公国連立」「衆参ダブル選挙」だけ… 抜本的な過半数回復策はふたつしかない。ひとつは連立政権の枠組みを拡大させること。当面のターゲットは国民民主党で、自公国連立を誕生させれば政権基盤は安定する。次のターゲットは日本維新の会だ。さらには立憲民主党との大連立も視野に入れていることだろう。