「自己中心的」な子どもに共通する親の子育て…アドラーが説く「甘やかされた子」「憎まれた子」に欠ける共同体感覚
■ 甘やかされた子どもは好かれない 子どもは、いつだって輪(組織や社会)からはずれることで注目を集めようとする。したがって、甘やかされた子どもが学校では同級生から好かれないというのは本当のことだ。 からかわれたりして、子どもっぽい、自立していないなどと思われる。 小学校であっても、すでに子どもたちの間には「共同体を求め、結びつきを求める」傾向が見てとれる。これは、見逃すことのできない、絶対的な人間の習性・能力といえる。 『教育困難な子どもたち』 ■ 「社会の一員」であるように育てる 家庭や学校の役割は、子どもたちが、社会の一員として働くことのできる人間であるよう、人類の一人として貢献できるような人間であるよう教育することである。 こうした家庭や学校で育ったとき、子どもは勇気をもち続けることができ、人生の課題がふりかかってきたとしても安心感をもって、他者にもメリットがあるような建設的な解決策を見出すことができる人間になるのである。 『人生の意味の心理学 下』
■ 子どもの成長のバロメーターとは 「共同体感覚」は、正常な成長を遂げているかどうかをみるのに、重要な手がかりだ。 共同体感覚を失ってしまう経験は、子どもの精神の成長にとって、恐ろしいほどの悪影響になる。共同体感覚は、子どもの成長にとって、正常であるかどうかのバロメーターなのだ。 『子どもの教育』 ■ 学校は家庭と社会を結ぶ架け橋 「学校」とは、「家庭」と「社会」を結ぶ架け橋といえる。 そう考えると、この少年が社会に出たときの姿が想像できるのではないか。 社会は学校のように甘くない。自分ばかりがチヤホヤされることもない。家では、いい子で学校の成績もよかったとしても、社会に出ると役に立たなくなる人がいる。社会に出て役に立たない人というのは、メンタルを病み、精神疾患で完全に病気になってしまうような人だ。そういう人を見てびっくりする人は多い。 彼は、家庭や学校で贔屓され、うまくいっていたがために本来の気質やライフスタイルの原型が隠れてしまっていたのだろう。 それが大人になり、社会に出て、困難にぶつかったときに原型が表に現れ、それが意外な形だったためにまわりの人が驚くにすぎない。 『生きるために大切なこと』