乃木坂46・岩本蓮加「マイナスな気持ちには背を向けない」内面の向き合い方と20歳の今思うこと
◼️ゲーム・アニメ……趣味の熱量が新たな魅力に ーー近年では、趣味であるゲームやアニメについて発信されていて、それまで知られていなかった岩本さんの魅力がファンの方により広く伝わっているように感じます。 岩本:それまでも発信はしたかったんですけど「(ゲームが)好きという割にはそうでもないな」「好きって言ってたわりに大したことないじゃん」と思われるのが怖くて。自信がなくて言えなかったんです。それに私は「上手くても下手でも好きなら好きでいい」と考えているので、好きなことが「上手い/下手」で評価されるようになることも嫌だなと思っていて、昔は言わなかったんです。 ーーそれはいつ頃から考えていたのでしょうか? 岩本:加入してすぐに思いましたね。加入前からダンスやギターも好きだったんですけど、ギターだと葉月(向井葉月)、ダンスなら珠美(阪口珠美)がいて、同期にどちらも上手なメンバーがいたんです。「二人の方が上手いよね」と言われたわけではないし、気にせず好きだと言えば良かったのに「二人とも上手いよね」と声を多く聞くと「やっぱりそうだよね」と思って、自分に自信がなくて言えなくなっていました。 ーーそれが近年ではゲーム関連の番組やイベントに出演するなど、発信されていた趣味がお仕事にもつながっています。発信するようになったきっかけはあったのでしょうか? 岩本:乃木坂46のメンバーでも「ゲームが好き」というのは、そこまで極めている人もいなかったので言いやすいかもしれない、とは思っていたんです。あるタイミングで「言ってみよう」と思って発信してみたら、ファンの方々も新鮮な気持ちで見てもらっていると感じて。私自身も、新しいことに足を踏み入れているようで楽しかったんです。また実際にお仕事につながっていくようになって「こうやって発信すると自分がやりたいお仕事にもつながるんだ」と実感できたことで、より発信できるようになりました。 ーー新たに岩本さんのファンになった方も多いかと。反響はありましたか? 岩本:めっちゃあります(笑)! ファンの方々の層がガラッと変わりましたね。ファンの方々とイベントでお話しする機会があるのですが、アニメが好きなファンの方とは「今季のアニメだとこれが面白いよね」「声優さんのイベントに行ってきたんだよ」「コラボグッズこれ買ったんだよ」と共有しあえる、アニメ友達のようなファンの方も増えたり。それまでアニメに興味がなかったファンの方も「蓮加が好きなものを知っておきたい」と、私が発信したアニメをちゃんと観てくれるんです。そのアニメもちゃんと観たら面白いからしっかりハマってくれて。ゲームだと「ゲーミングPC買ったよ」というファンの方もいました(笑)。 ーーすごい。なかなか高額ですよね。 岩本:そうですよね、私もびっくりしました(笑)。ほかにも私がメッセージアプリで面白いゲーム配信者の方のURLを貼り付けるんですけど、「なんでこんなに優しいんだろう?」と不思議なくらい、ファンの方々がちゃんと反応してくれるんです。 ーー友人からおすすめされた作品でもいちいち見ないですからね。 岩本:そうですよね、自分が興味あるものしか見ないじゃないですか。でもそれはアイドルとファンという特別な関係性ならではであって、「蓮加の好きなことを知っておきたい」という愛情をもってくれるファンがいるからこそなので、すごく嬉しいです。ファンの方々とお話しする機会がより楽しみに感じるようになりましたし、トークでも発信するネタも変わってきて、発信してよかったなと思いました。 ーー高校を卒業された頃あたりに「趣味を仕事に繋げたい」とブログで書かれていたので、有言実行の方なんだなと思いました。仕事において「自分の中で目標を立て向かっていくタイプ」と、「流れるままにしてたどり着いた場所で頑張るタイプ」の2種類に分けるとすれば、岩本さんは前者でしょうか? 岩本:私は後者ですね。目標を立てると私は視野が狭くなるし、目標を実現できなかったときにきっと自分に幻滅してしまうと思うんです。だから目標が達成できたら「ラッキー」くらいの気持ちでいるようにしていますね。 ◼️グループ変革期を支え、ソロでも活躍「原動力はすべてファンのみんなにあるので」 ーー乃木坂46で言えば、2023年5月の齋藤飛鳥さんの卒業コンサートをもって1期生が全員卒業となり、グループも新体制となりました。3期生が最も所属年数が長くなったことで、その当初は「不安もある」とお話しされていましたが、今はその不安は拭えましたか? 岩本:拭えました。それは私だけの力で拭えたというより、キャプテンの梅澤(梅澤美波)がグループを引っ張ってくれたり、外仕事をたくさんすることでグループの名前を広めてくれたやま(山下美月)や久保(久保史緒里)がいたことが心強くて。私自身が何かできたかと聞かれると挙げられることはないのですが、同期の頑張りを間近で見ることで「これが正解の道なんだ」と思って、折れることなく進めることができました。同期の影響は大きいですね。 ーー岩本さんのソロ仕事で言えば、宝田明さんのプロデュース作品「世の中にたえて桜のなかりせば」で宝田さんとW主演を務めていたことのほか、今回のようにソロ写真集を発売することができるという点も含めて、グループを支えていると感じます。以前はソロでの活動は慣れないし不安がある、とお話しされていましたが現在はいかがでしょうか? 岩本:まだ慣れることは難しいですけど、自信にはすごくつながっています。9年目の活動に入り、3期生も誰が卒業してもおかしくないくらいになっていて、そういう時期になってもまだ自分が未熟だと感じることがあると悔しくて。「自分がここにいることを認めてあげたい」と思っていたタイミングで写真集を出せることになったので、グループ活動中に一人で出すことができるものがあると安心しますし、実際にファンの方が喜んでくださっている声を聞くと、「私はここにいていいんだ」と言われているみたいで、自分のことを認められるので本当に良かったなと思います。