【中国No.1インフルエンサー 『劇場版 再会長江』竹内亮監督インタビュー】「激動の10年で最も驚いたのは、結婚観の変化だね!」
中国ドキュメンタリー長編映画ベストテン選出作の劇場版
旅行好きの方はご存知かもしれませんが、本作の竹内亮監督は、なんとフォロワー数1000万人を超える、中国全土No.1インフルエンサー(Weibo旅行関連インフルエンサーランキングより)として活躍されている方。中国と言えば私たちの多くにとっては、どこかまだ近くて遠い国だったりしますが、かつて経済大国だった日本が追い抜かされて既に数年が経ち、今や経済的にも政治的にも米国と共に世界を左右する超大国であることを認めないわけにはいかなくなってきました。 そんな中国で影響力を持つ竹内監督って、どんな人!? 『劇場版 再会長江』を引っ提げて来日(帰国!?)された監督に、色々と尽きない興味をぶつけてみました! ●竹内亮 1978年、千葉県出身。中国・南京在住。テレビ東京「ガイアの夜明け」「未来世紀ジパング」、NHK「世界遺産」「長江 天と地の大紀行」などを制作。2007年、ギャラクシー賞コンペティション奨励賞を受賞。2013年、中国人の妻と共に中国に移住。以後の主な作品に「新規感染者ゼロの街」「好久不見、武漢(お久しふりです、武漢)」「中国アフターコロナの時代」「大涼山」など。いずれも再生回数数千万回を記録し、大きな反響を呼ぶ。著書「華僑 中国を第二の故郷にした日本人」(’22)を角川書店より発表。人気テレビ番組などにも出演し、現在、最も勢いのあるインフルエンサーとして各所で活躍中。
本作は、かつてNHKで撮った「長江 天と地の大紀行」の10年後、同番組で訪れた場所や人々を再び回ってカメラに収めたものです。まず、10年前の番組を作った動機を教えてください。当時の企画書は、どんな内容や目的だったのですか? 「2011年に放送された作品ですが、動機としては単純に、中国という国をもっと知りたかったから。企画を書いた2009年は、僕がちょうど中国人の妻と結婚したばかりだったんです。妻は南京出身ですが、当時の僕は中国のことをほとんど何も知らなくて。自分が愛した人の故郷はどんな国なのか、ちょうど自分がドキュメンタリーを作っていたので、渡りに船とばかりに中国全土を旅できる番組を企画したわけです(笑)。元々「三国志」が好きだったのもあり、色んな舞台として物語に登場する長江沿いの都市を周りたいという気持ちもあり、中国大陸一周は無理にしても、中国大陸を横断する長江をたどれば都会も田舎も内陸も網羅できるぞ、と」 ちなみに中国の方たちにとっての“長江”は、日本人にとっての“富士山”的な存在ですか? 「そうですね、ナレーションでも“母なる大河”とあるように、それに近いものがあると思います。ただし北部の人たちにとっては、それが黄河になりますね。やはり人類の歴史を紐解くと、どんな国や地域も川に沿って水とともに発展してきたわけです。中国には長江文明と黄河文明があり、その両方が“文明の母”と言える存在です。だから、外国人としてそれに挑戦するのは、なかなか大きなプレッシャーがありました。でも逆に、外国人だからできることもあるとも感じてはいましたね。当たり前ですが、今まで何度も中国で長江を題材にした作品が撮られてきたので」 それこそ、本作で目にする絶景には、ただもう口を開けてしまいました。監督も初めて目にしたときは、それこそ驚かれたのでは? 「まさしくポカーンとしましたね。“すげえな”と、ただもう目にしたその圧倒的なスケールに、ただただ驚きました。10年前は、ただ圧倒されて終わった、という感じでした」