【中国No.1インフルエンサー 『劇場版 再会長江』竹内亮監督インタビュー】「激動の10年で最も驚いたのは、結婚観の変化だね!」
『劇場版 再会長江』ってこんな映画
◆Story◆ 日本人監督の竹内亮が、上海、南京、武漢、重慶、雲南、チベット高原まで全長6300 キロの長江に沿って広大な中国大陸を横断するーー。10 年前にNHK の番組では果たせなかった、チベット高原にある「長江源流の最初の一滴」を今度こそ撮るために、2021 年から2 年かけて再び挑む。10 年前に撮影した友人たちを訪ね歩きながら、中国におけるこの10 年の変化を見つめる。
番組撮影から10年後、『劇場版 再会長江』の元となる「再会長江」を作られました。10年ぶりに各地を再訪しようと思ったのはなぜですか? 「早い話、10年前の作品に満足がいっていなかったからです。当時は中国語が全く分からず、常に人を介してコミュニケーションしていた――取材交渉から準備まで全て中国の方に頼んでいたので、例えば“断られました”と報告を受ければ諦めるしかなく、だから当然、取材相手の心に入っていくこともできなかった。でも今回は、一度ダメと言われても“じゃあ、こうしたらどう?”、“それなら、いいよ”という感じで撮影交渉からインタビューまで全て自分が行ったので、色んな事情すべてを把握して進めることができました」 「また10年前は、こんなに長い歴史をもち、文化も民族も多様で豊富な長江沿いの人々を、あの程度の知識で撮ってしまったことへの後ろめたさ、みたいなものもあったんです。自分でも深みが全然足りないな、と感じていて。だからいつか中国語を覚え、人脈も出来たら、撮り直したいとずっと思っていたんです。そろそろ出来るかな、と思えたのが2021年頃でした。23年まで2年かけて撮ったわけですが、う~ん、ある程度は満足できたけれど、それでもまだ“撮り切った感”はないな。深さがまだ足りない。もっと文化と歴史を勉強してから、また挑戦したいですね」 とはいえ、中国で「再会長江」はメチャクチャ話題になったわけですよね? 「はい。劇場版はまだ公開されていませんが、劇場版の元であるネット版の「再会長江」は、お陰様でメチャクチャ再生されて観られた作品になりました」 それを今度は、わざわざ『劇場版 再会長江』として、新たに作り直したのはなぜですか? 「ネット用のフォーマットで作ったので、「再会長江」は1話から9話あるんです。すごく多くの人に観てもらえたけれど、中国のみならず日本を含めて世界中の人に観てもらいたかったので、映画版として新しく編集して『劇場版 再会長江』を作りました。劇場版は、やっぱり世界中の多くの人が知る場所から始めた方がスッと入って来るだろうと、上海から始め、大河の源流を目指して長江をさかのぼっていくよう、真逆のストーリー構成にしました。中国の人からすると、上海や南京や重慶、三峡ダムなどを最初に出すと“またか”と思われてしまうので、逆に興味を持たれるだろうと源流のあるチベットの方から始めて、どんどん下って行って最後に上海で終わる構成だったんです」