【広島】今季失速の一因となった本拠地マツダの「酷暑」 ナインが交渉で勝ち取った〝3倍の風力〟
契約更改が佳境に入った広島で、選手たちが〝3倍増〟を勝ち取った。球団との粘り強い交渉の結果、選手たちがゲットしたのは「風力」だ。 今オフの更改に臨んだ主力の面々が一致団結して球団に訴えたのが、本拠地マツダスタジアムの夏の暑さ対策。記録的な酷暑だった今夏を踏まえ、施設面や規律面などさまざまな分野で球団側に改善を要望し、20~30項目にわたって話し合いを続けてきた。 そうした中、できる限り選手に良質なプレー環境を提供しようと腐心し続けている球団側も、大胆な設備改善に動くことを決断した。 手を加えるのは、マツダスタジアムのベンチスペースの空調設備。現在も選手が座るベンチ後方の壁にはエアコン設備が整っており、夏場には吹き出し口から涼しい風が常に流れている。その風力が来季からは、約3倍の〝強風〟に強化されることが判明した。 選手が陣取る一、三塁側ベンチと、ベンチ裏のスイングスペースのエアコンを改造。涼風を送るための出力モーターを現在使用のものから、約3倍の風量を送ることができる強力なタイプに交換するという。2025年の年明け以降、着工する予定だ。 球団関係者によると「今のタイプはベンチで風が出てくる目の前に座らないと、涼しさを感じないぐらいですが、今度のものは風力が強くなるので、ベンチの前の方まで涼しい風が届くはずです」としており、確実にベンチ内の〝涼感覚〟は大幅アップが見込めるという。 すでに来年以降は7月~9月まで本拠地の試合前練習を従来のユニホームではなく、ハーフパンツの軽装で行うことが決まっている。これに加え、今回はプレー環境を意識した暑さ対策の「第2弾」と言えるだろう。選手会長として球団と折衝を続ける堂林も「いい話し合いができました」と笑顔。 これまで通りにグラウンドで熱いプレーを見せつつ、ベンチでは例年以上のクールダウンが期待できそうだ。(風力は推定)
赤坂高志