佐賀・玄海町で核ごみ最終処分の文献調査開始 原発立地自治体初
原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)最終処分場の選定を巡り、事業主体の原子力発電環境整備機構(NUMO)は10日、佐賀県玄海町で文献調査を始めた。経済産業省がこの日、事業計画の変更を認可した。文献調査実施は全国3例目で、原発立地自治体としては初めて。 【写真】ガラスで固められた核のごみ 文献調査は処分場の選定手続きを定めた「最終処分法」に基づく3段階の調査のうち最初の調査。開始に伴い、玄海町は最大20億円の交付金が得られる。脇山伸太郎町長が5月10日、受け入れを表明していた。 調査は2年程度で、既存の論文やデータを基に、町全域の活断層や鉱物資源の有無を調べ、長期的な地盤の安定性を評価する。地層処分事業の理解を促すため、住民への説明会などを行う。調査の結果、適地が残ると判断されれば、県知事と町長の同意を得た上で、次段階の概要調査に進むことができる。 町内の地下には炭田があり、国が2017年に公表した処分場の適否を示す「科学的特性マップ」で、ほぼ全域が「好ましくない」とされる。ただ、マップには各地域の詳しい情報は反映されておらず、NUMOは調査が実施できると判断した。【高橋由衣】