医師が明かす衝撃の実態「アフターピルを処方した女性の1割強は性被害者」 加害者に父親も…望まない妊娠、リミット72時間なのに日本だけ入手に「壁」
「身につまされないと分からないこともある。失敗する子がいてもいい。100%ではないが、アフターピルを飲めば多くの場合、救われるんだから。薬のことを覚えていてくれて、相談に来てくれるだけですごいこと」 ▽独自のプロジェクトで24時間対応可能、支えるのは「薬局の熱意」 2019年、少しだけ「ハードル」が下がった。緊急避妊薬に関する国の指針が見直され、初診からオンライン診療で処方できるようになったのだ。わざわざ病院に足を運ぶ必要がなくなり「物理的にも心理的にもアクセスしてもらいやすくなる」。 上村さんは早速、オンライン対応を始めた。 思った通りニーズはあった。ただ、そこでまた壁にぶつかる。一刻も早く服用してもらおうとすぐに処方箋を出しても、薬局が夜間や休日に開いていない。上村さんが自分の車で2時間ほどかけて薬を届けたこともあった。 そんな時、知り合いの薬剤師から提案された。
「薬局はいろいろな場所にあるのだから、うまく活用してはどうか」 賛同者を集めて2021年10月に始めたのが、「おかやまアフターピルプロジェクト」。ピル入手までのハードルをできるだけ下げた。手順はこうだ。 (1)希望者はホームページでプロジェクト参加薬局を確認し、電話で緊急避妊薬が必要だと説明する (2)薬局を訪れ、案内された個室で簡単な問診票を書いた後、薬局が用意した端末で医師によるオンラインの診察を受ける (3)医師がその場で出す処方箋に基づき薬剤師がすぐに処方。薬剤師の目の前で服用する 入手までにかかる時間は約10分。費用は9500円(夜間・休日は10500円)。24時間、どこかで対応できる仕組みになっている。賛同の輪は次第に広がり、今では岡山県全域をカバー。広島県福山市も含めた31の薬局と3つのクリニックが参加している。 上村さんは薬局関係者の協力に感謝している。