都会から“屋久島の森”に移住した独身女性のリアル「移住費用は全部で4万円くらい」
薪割りも釣りもDIYも、移住してから初体験
――食べ物はどこで買っているのですか? すず:車でスーパーに行って買うこともあるのですが、農園でバイトをしている繋がりで野菜や魚がもらえたり、あとは海に魚を釣りに行ったり……。冬は捕れないことも多いですし、野菜の収穫量も少なかったりするので買うこともあるのですが、やはりお金もないので物々交換をしたりしています。農園のスタッフの方々は優しくて、野菜や果物をたくさんくれるんです。あと、農園がお付き合いのある他の場所からもらってきたものをお裾分けしていただくこともあります。 ――屋久島に移住される前から釣りの経験はありましたか?それと、山小屋の補修をしたり、薪を割ったりもされていましたが、そういったことも以前から経験があった? すず:どれもしたことがなくて、こっちに来てから地元の方に釣りに連れていってもらったり、自分で家具の補修をしたり…やらざるを得ないっていう状況なのもありますが、移住してから始めたことばかりです。山小屋の大家さんが「自由にDIYをしてもいいよ」と言ってくださったので、キッチン棚を補修したり、いろいろ頑張っています。
家にエアコンやお風呂がないため、「川風呂はルーティン」
――川風呂に入ったりもしていますよね。 すず:家にエアコンやお風呂がないということもあって、川風呂はルーティンです。それと、農園で働いていると熱中症になってしまうんじゃないかというぐらい暑いので、とにかく体を冷やさないといけません。仕事の休憩中や仕事が終わった後も川風呂に入りますね。見た目は川で遊んでいるように見えるかもしれませんが、私にとってはお風呂なので。 ――森の中だと時間帯によっては涼しそうですね。 すず:川が近いので冷気がきます。でも、夏はやっぱり暑くてしんどいですしアイスノンを使って寝たりしています。ただ、春と秋が短くなった都会の気候に比べて屋久島は四季がまだ残っていて、急激に暑くなったり寒くなったりはしません。体を徐々に慣らしていけるんです。 ――寒い時期のお風呂はどうされていますか? すず:ちょっと場所は遠いのですが、海の中に湧き出ている珍しい温泉があるのでそこに行ったり、以前住んでいた集落に300円で入れる温泉があるのでそこへ行ったり、友達の家に行ってお風呂をかしてもらったりしています。屋久島の冬は本島よりは寒くないのですが、山の高いところではマイナス何十度にもなったりしますし、そこから吹き降ろしてくる風が当たる時は結構冷えます。