【玉ノ井親方 視点】逆転で白星発進も…大関らしい相撲ではなかった大の里 体に張りない印象
◇大相撲九州場所初日(2024年11月10日 福岡国際センター) 勝つには勝ったが、大関らしい相撲ではなかった。大の里は新大関場所の初日ということもあり、体が硬くなっていたようだ。平戸海にもろ差しに入られ押し込まれた。ただ、上背の高さと懐の深さで、まわしを取られなかったのが幸いした。相手が前のめりになって出てくるところを左から強烈な突き落としを見舞い、逆転勝ちした。 大関になると追われる立場に変わり、優勝争いが絶対条件になる。私も経験があるが、そういうことを意識しないようにしても、勝たなければというプレッシャーが知らず知らずのうちに両肩にのしかかってくる。しかも大の里は場所前の巡業を体調不良で離脱していた。その影響だろうか、優勝した先場所に比べ体の張りがない印象だった。ただ、それでも初日に勝ったことは大きい。まだ不安はあるかもしれないが、良い方向に変わるきっかけになるはずだ。(元大関・栃東)