台湾、ウクライナにホーク防空システムをひそかに引き渡しか 米国介して
あまり大きく騒ぎ立てられないまま、台湾はウクライナ空軍の大きな支援者になっていたのかもしれない。元米国防総省高官の胡振東(トニー・フー)によると、台湾は余剰の米国製ホーク地対空ミサイルシステムを米国を介してウクライナに引き渡した。 ホークの製造元である米レイセオン社の台湾駐在代表も務めたフーは、台湾のYouTubeチャンネルのインタビューで引き渡しに言及した。米国の仲介による台湾からウクライナへの防空装備の移転取引は昨年報じられており、胡の発言で実施が裏づけられたようだ。 ホークは米国とスペインからもウクライナに供与されていて、ウクライナ空軍はホークシステムを最大で15基配備している可能性がある。各システムは3連装発射機少なくとも6基とレーダーなどで構成される。 ロシアが全面侵攻を始めた2022年2月時点で、ウクライナ空軍は地対空ミサイルシステムを50基ほど保有していた。大半はS-300などの旧ソ連製システムだった。これら旧ソ連製の古い地対空ミサイルシステムの多くはその後、米国製のパトリオットなど西側製のより現代的なシステムに置き換えられていった。 ウクライナ軍の地対空ミサイルシステムの総数が、損失数を供与数で相殺して以前とほぼ同じだと仮定すると、現在、その3分の1近くをホークが占めている可能性もある。台湾はウクライナの戦争努力を声高に支援しているわけではないが、裏では重要な貢献をしてきたということになる。 ホークは60年以上前に開発された古い兵器だ。しかし、シンプルで、信頼性が高く、発射機などは車両で牽引するので機動性も高い。改修もしやすく、スピードがあまり速くないドローン(無人機)や巡航ミサイル、有人機に対しても問題なく機能する。 しかも、5m強のミサイルは、ウクライナ軍が使用している別の地対空ミサイルシステムであるNASAMSと互換性がある。NASAMSは米国とノルウェーが開発したより現代的なシステムだ。