BMW Motorrad「R 12」はフラットツイン入門に最適!! クルーザースタイルで抜群の親しみやすさを実現
クルーザーの流儀に従った装備と構成
前述したように「R 12」シリーズには、既存の「R nineT」の路線を継承する「R 12 nineT」が存在し、2台はフレームやパワーユニットを筆頭とする基本設計を共有しています。
ただし、外装、ライディングポジション関連、ホイール、サスペンション、ディメンション、エンジンの味つけなどは各車各様で、現代的なロードスポーツの「R 12 nineT」に対して、「R 12」はクルーザーの流儀に従った構成を導入しています。 外観から判別しやすい特徴としては、ティアドロップタイプのガソリンタンク、クラシカルな雰囲気のリアフェンダー、高めのハンドル、前方に位置するステップ、シングル仕様で座面が低いシートなどです。 もちろん、クルーザーらしい乗り味を生み出すタイヤサイズ(F:19/R:16インチ)、ストロークが前後とも90mmのサスペンション、29.3度/132.5mmのキャスター/トレールも、このバイクを語るうえでは欠かせない要素です。 ちなみに「R 12 nineT」は、タイヤが前後17インチ、サスペンションストロークは前後とも120mmで、キャスター/トレールは27.7度/110.7mmです。 最高出力と最大トルクは、現代的な運動性能を追求したロードスポーツの「R 12 nineT」が109ps/7000rpm、115Nm/6500rpmで、常用域の扱いやすさを重視する「R 12」は95ps/6500rpm、110Nm/6000rpmです。 かつての「HP2スポルト」の133psや、その技術を転用した「R 1200 GS/RT/R」などの125psと比較するといずれも控えめですが、「R 12」シリーズのキャラクターを考えれば、その数値に異論を述べる人はいないでしょう。
とっつきが良くて、乗り味はフレンドリー
「R 12」で走り始めて数分後、「そうか。これはフラットツイン入門車にして、BMWの支持層拡大作戦の一貫なのか……」と、私はそんな気持ちになっていました。と言うのも、シート高が754mで車格が大き過ぎないこのモデルは、非常にとっつきがいいのです。ちなみに「R 12 nineT」のシート高は795mmです。