海外の高級車みたいじゃなくて… 浦和学院の青年監督が考える、令和の選手に求めるフィジカル
埼玉の誇る名門・浦和学院は、2021年から森大監督に交代すると、走攻守全てにおいて積極的なプレーを仕掛けていく「超攻撃野球」というスタイルを掲げた。 【一覧】進路を表明した選手 その第一歩として、「夏バテしない体づくり」ということを体づくりのテーマに設定。夏の連戦に強い、勝てる体になるために必要なメニューを考えて、取り組みを見直したという。 「当時の浦学の時から、長距離などの走り込みによるオーバーワークは課題でした。 長距離は心を強くするためにも、必要だと思っています。けど、やり過ぎてしまって体が疲労してしまったことで、短距離が苦手な選手も多かったのが課題でした。でも、こだわって多くやっていた動物の動きをイメージした、クリーチャートレーニングや、やり続けてきた瞬発力強化のメニューを変えるのではなく、食事と休息とのバランスを意識しました」(森監督) 体が100%のパワーを発揮できるように、フィジカルを調整。加圧などを活用して回復に努めるなど、ベストな状態で戦えるように、チームを毎年仕上げるようにしてきた。 とはいえ、休息が多すぎても、思ったようなプレーを発揮できず、夏の暑さにも強くなれない。 だから、森監督が「夏バテしない体づくり」に求める要素は2つある。 「瞬発力と持久力を融合させたスピード&パワーですね。イメージ的には、短時間で高加速を求める海外の高級車・ランボルギーニみたいな感じではなく、安定して長時間持続して走れる強さを兼ね備えたスポーツ車・SUVのようなパフォーマンスを発揮できる選手をイメージしています」 トレーニングの充実によって、球速向上をはじめ、スピード化が進んでいる高校野球界にとっても、大きなエンジンを搭載して爆発的なパワーを生み出すだけではなく、常にハイパフォーマンスを発揮する強さと速さ。この2つの両立はどの学校も必要な要素だ。 そういった点から考えても、トレーニング、フィジカルの重要性は高く、浦和学院がすでに実践しているように計画的かつ具体的なメニューを組んでいくことが、より求められる時代になるだろう。