気候変動 や異常気象を業績不振の口実にする小売企業が世界中で増加
天候が売上を後押しすることも
グローバルデータリテール(GlobalData Retail)のマネージングディレクターであるニール・サンダース氏は、一般的に気候は特定の商品需要に対して非常に直接的な影響を与えると米モダンリテールに語った。「暖かかったり寒かったりという天候は、人々が決まった種類の衣類をどれだけ必要とするかに影響する。したがって、(気候が)季節的な基準から大きく逸脱している場合、小売業者がその点を指摘するのは妥当である」。 しかしサンダース氏は、天候を「言い訳にするのは非常に簡単」であり、小売業者のそうした訴えは適切に検討されなければならないとも付け加えている。「時には、誤った投資判断やそのほかの不手際を隠すために利用されることもある」。 H&Mの場合、天候による売上不振の正当化は、競合他社であるZARA(ザラ)の業績と矛盾する。昨年8月1日から9月11日のあいだ、ZARAを所有するインディテックス(Inditex)の売上高は前年同時期の14%増を記録した。同様にデニムメーカーのトゥルーレリジョン(True Religion)にとって、2023年の夏が長引いたことがむしろ有利に働き、9月末まで半袖のトップスやショートパンツが売れ続けた。 天候はまた、顧客が買い物に行く回数を減らす要因として小売業者がよく挙げている。BBCによると、2023年3月は「1836年以来6番目に雨の多い3月」だった。その結果、英国の小売企業の多くは、その月に店舗を訪れた買い物客が減少したと報告している。 同じような動きが、先月の「ずぶ濡れの2月(soggy February)」にも見られている。店舗、パブ、レストランへの客足は減少した。しかし雨天のおかげで人々は家でくつろいでいたため、テイクアウトやファストフード業界を後押しした。 その結果、食品と非食品消費を合わせた2月の英国小売売上高は前月比1.1%増となった。これは1月の前月比1.2%増、12月の前月比1.7%増を若干下回っている。