なぜ黒田監督の発言は響くのか J1町田のキーマンが語る「伝わる言葉の選び方」の真相【インタビュー】
仙頭啓矢は史上3人目となるJ1の異なるチームで4年連続開幕戦スタメン
FC町田ゼルビアは、昇格組でありながら、J1リーグ前半戦18試合を消化して首位をキープ。J1初挑戦・初優勝の快挙も夢ではない。黒田剛監督の下、快進撃を続けるチームのなかで、プロ8年目を迎えた29歳のMF仙頭啓矢が絶妙な輝きを放っている。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小田智史) 【動画】町田MFのチャージをきっかけに両軍が入り乱れて乱闘寸前シーン ◇ ◇ ◇ 仙頭と言えば、京都橘高で3年時に高校サッカー選手権で準優勝の成績を収め、2トップを組んだ1学年後輩のMF小屋松知哉(現柏レイソル)とともに大会得点王(5得点)を獲得した技巧派アタッカーだった。 その後、東洋大を経て、2017年に京都サンガF.C.(当時J2)に加入。開幕戦のモンテディオ山形戦に途中出場してJリーグデビューを果たすと、その後はスタメンにも名を連ねたが、5月以降は一転してベンチ入りするも出番なしやベンチ外が増え、シーズン終盤の9月に定位置を確保した。1年目の成績は24試合5得点。“明暗”を味わったルーキーイヤーの経験は、プロ人生の大きな糧になっていると仙頭は振り返る。 「1年目はありがたいことに開幕から数試合出させていただいたんですけど、夏場にかけてはメンバー外になる期間もあって、すごく悔しい思いをしました。ただ、自信を失わずにやり続けて、シーズン終盤にはスタメンで出るようになった。『苦しくても腐らずにやっていれば、見てくれている人はいるんだな』というのを実体験できたのは大きくて、嬉しさと悔しさの両方を味わえたのは、のちのサッカー人生においてすごく財産になっています」 京都で3年間プレーし、2020年に横浜F・マリノスに移籍したが、自身初のJ1挑戦はリーグ戦3試合の出場にとどまり、同年9月には古巣・京都に期限付き移籍。その後は21年にサガン鳥栖、22年に名古屋グランパス、23年に柏レイソルと渡り歩き、今年から町田の一員となった。 今季はJ1初昇格の町田で、出場停止を除いて17試合に出場。史上3人目となるJ1の異なるチームで4年連続開幕戦スタメンという記録も刻んだ。所属チームが変わっても、ピッチに立ち続けられている理由について、仙頭は「まず、キャンプやプレシーズンで監督が求めていることをいち早く理解してそれを体現していくこと。そして、プラスαで自分を獲得してくれたクラブから何を求められているかを整理して、表現していくことは意識しています」と話す。