巨大野党が29回目の弾劾暴走…尹大統領の職務を代行する韓悳洙首相も職務停止、崔相穆副首相が「権限代行の代行」に
大統領権限代行を務める韓悳洙(ハン・ドクス)首相に対する弾劾訴追案が韓国野党・共に民主党を中心に27日に韓国国会で可決した。国会が尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領を弾劾訴追し、韓悳洙首相が権限代行となってから13日後のことだ。国会が大統領権限代行を弾劾訴追するのは憲政史上これがはじめて。韓悳洙・権限代行の権限は停止し、崔相穆(チェ・サンモク)経済副首相兼企画財政部(省に相当)長官が大統領と首相の権限を代行することになった。共に民主党は崔相穆・権限代行に対しても憲法裁判官任命に協力しなければ弾劾訴追する構えのため、「無限弾劾」とそれに伴う「国政麻痺」への懸念が高まっている。 【写真】弾劾訴追案の投票を終え席に戻る共に民主・李在明代表
国会は27日午後の本会議で、韓悳洙・権限代行に対する弾劾訴追案を投票に参加した192人の議員全員の賛成で可決・成立させた。与党・国民の力からは趙慶泰(チョ・ギョンテ)議員が唯一採決に参加し賛成票を投じた。禹元植(ウ・ウォンシク)国会議長は採決直前に韓悳洙・権限代行の弾劾訴追案可決に必要な定足数を首相基準の「151議席以上」と宣言した上で、「議長は国会法第10条に基づき国会の意思を整理する権限がある。憲法学会と国会立法調査処の意見を総合的に検討した」と説明した。国民の力議員らは議長席の前で「最初から無効」「職権乱用」などと叫びながら議場を後にした。 共に民主党は韓悳洙・権限代行が首相として金建希(キム・ゴンヒ)特別検事法や海兵隊員特別検事法について大統領に拒否権行使を建議したこと、また12月3日の非常戒厳令宣布に加担あるいは同調し、さらに権限代行でありながら国会が選出した憲法裁判官3人の任命を拒否したことを弾劾訴追の理由とした。共に民主党が現政権発足以降に弾劾訴追案を提出するのはこれで29回目となる。共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表は採決前に国民向け談話を発表し「いかなる反乱や逆行も制圧する。国民と歴史の命令に沿って光の革命に向けた有用な道具になる」との考えを示した。 国民の力は同日、議員全員の名義で憲法裁判所に韓悳洙・権限代行の弾劾訴追案議決に対する権限争議審判を請求し、効力停止仮処分申請を行った。「禹元植議長が韓悳洙・権限代行の弾劾訴追案採決の際に大統領弾劾訴追の定足数を適用しなかったことは憲法と国会法の国民代表権などへの違反」というのがその理由だ。国民の力の権性東(クォン・ソンドン)院内代表は「崔相穆・権限代行には憲法裁判所の決定が出る時まで憲法裁判官の任命を保留するよう要請する」と述べた。 崔相穆・権限代行は同日国民向け談話を発表し「今は国政の混乱を最小限に抑えることが何よりも重要だ」とする一方「権限代行の権限代行はその役割が非常に制限されている」との考えを示した。 朴秀纘(パク・スチャン)記者