【B1クラブ展望/琉球】陣容が変化した新生キングス…“キーマン”迎え再構築を進める
2024-25シーズンの琉球ゴールデンキングスは陣容が大きく変化した。攻守で存在感を示した今村佳太が名古屋ダイヤモンドドルフィンズへ、控えポイントガードの牧隼利が大阪エヴェッサへ、キャプテンの田代直希が千葉ジェッツへそれぞれ移籍。桶谷大ヘッドコーチの下で重要な役割を果たしていた彼らの離脱は、全員バスケを信条とするキングスにとって大きな変化をもたらすだろう。 注目の新加入は伊藤達哉。純粋なポイントガードで、キャリアを通じて1試合平均約4本のアシストを記録する「パスファースト」の司令塔だ。173センチと小柄ながら、そのスピードと粘り強いディフェンスで相手のボールを奪い、一気にゴールへ駆け上がるプレースタイルはリーグでも指折りだ。プレシーズンゲームでも伊藤を中心とした攻撃的なディフェンスで相手のボールを奪い、ファストブレイクで得点する場面が増加した。 ヴィック・ローの奮起も欠かせない。昨シーズンは怪我の影響で46試合の出場にとどまり期待に応えたとは言い難い。今シーズンは新外国籍のケヴェ・アルマが中でも外でもプレーできる選手であり、ローが本来のスモールフォワードでプレーできる環境が整った。バックコート陣の変容により、ローが得意とする速い展開が増えそうなのも好材料だ。 ディフェンス面の再構築も急務だ。2023-24シーズンのキングスの平均失点は77.8点でリーグ9位、ディフェンシブ・レーティングは108.3でリーグ15位まで落ちた。今シーズンから再入閣した佐々宜央アソシエイトヘッドコーチが、粘り強いディフェンスとリバウンドでキングスを再び強固なディフェンスチームに鍛え上げることが期待される。
■KEY PLAYER/PG #3 伊藤達哉
キングス入団時に「本来の自分を取り戻したい」と語った伊藤。ここ数年は自身の怪我やチームから求められる役割もあり、本来の攻守に積極性あふれるプレーが減少していた。ポイントガードとしての実績は申し分無く、昨季キングスの弱点でもあったターンオーバーからの失点は確実に減るだろう。 開幕当初は岸本隆一の控えポイントガード起用が予想されるが、伊藤は「隆一さんと一緒にコートに立ちたい」とダブルポイントガード起用にも積極的だ。桶谷ヘッドコーチも「岸本のシュート力を活かすためにも(伊藤との併用は)あり得る」と話すなど、今シーズンのキングスは伊藤がどれだけ存在感を発揮するかにかかっている。 文=アウトナンバー編集部
BASKETBALL KING