【20歳代・ひとり世帯】貯蓄中央値は衝撃の「9万円」。25%以上が金銭的な不安から「子どもをもつこと」に消極的との結果も
20歳代の平均貯蓄額は「121万円」
まずは、金融広報中央委員会が公表している「家計の金融行動に関する世論調査(令和5年)」から、20歳代の貯蓄額をグラフで見てみましょう。 20歳代・ひとり世帯の平均貯蓄額は121万円、中央値は9万円でした。 平均は貯蓄が多い人に引っ張られる性質があるため、より実態に近い数値は中央値と考えてよいでしょう。 円グラフの結果を一覧にして以下に掲載します。 ・金融資産非保有:43.9% ・100万円未満:23.0% ・100~200万円未満:10.9% ・200~300万円未満:5.3% ・300~400万円未満:4.9% ・400~500万円未満:2.6% ・500~700万円未満:4.0% ・700~1000万円未満:2.2% ・1000~1500万円未満:1.6% ・1500~2000万円未満:0.0% ・2000~3000万円未満:0.0% ・3000万円以上:0.0% 上記から、金融資産非保有(貯蓄ゼロ)がもっとも多く43.8%を占めています。 20歳代というと社会人として働く世代と学生世代が混在しています。 このため貯蓄をようやく始められそうな人と、まったく貯められていない人で両極化しているのかもしれません。 また、ご紹介した数値はあくまで平均額です。 実際にどれほど貯蓄できているのかは、人によって異なるもの。 ご自身が納得できる貯蓄額というのは、各自がイメージする将来設計によっても変わってきます。
20歳代の金融資産保有世帯が少ない原因は?
20歳代の金融資産保有世帯が少ないのは、賃金の低さにもあると考えられます。 厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査の概況」をみると、20歳から24歳の賃金は21万8500円、25歳から29歳までは25万1200円でした。 インフレや少子高齢化が進み、日本円の価値が低下している昨今、収入に対して支出のほうが多くなってしまうことも珍しくありません。 とりわけ収入の低い20歳代にとっては「貯蓄どころではない」というのが本音でしょう。 とはいえ、20歳代からコツコツ貯蓄習慣をつけておくことは、長い人生を送るうえで非常に重要なポイントです。 次章では、20歳代からの貯蓄について考えていきましょう。