【京歩きの達人がこっそり教えます】世界遺産の穴場スポットで今年最後の「紅葉」を!
12月に入ると京都の市街地にも紅葉の最盛期が訪れます。今年の京都の「紅葉納め」はどこを訪れるといいのか。とっておきの紅葉スポットの最終案内は、ずばり登録30周年を迎える世界文化遺産のあの寺院がイチオシです!(らくたび、ダイヤモンド・ライフ編集部) 京都は今が紅葉の最盛期【写真を見る】 ● 待ちに待った紅葉の見頃が到来! 朝方には5~6℃まで冷え込むことも珍しくなく、紅葉が始まる8℃を京都市街地でも下回るようになってきました。第32回でご紹介した比叡山延暦寺の北方に当たる近江八景「比良の暮雪」で名高い比良山脈では、つい先日の朝方に初冠雪が報じられました。晩秋の今「紅葉納め」シーズンが到来しました。 街路樹を見ても、木によって赤く染まったもの、まだまだ緑のもの、緑から赤へのグラデーションが見られるものなど個体差があり、さまざまな色彩が目を楽しませてくれます。京都各地の紅葉名所からは、続々と見頃の便りが届いています。京都市観光協会からの情報によると、貴船神社と比叡山延暦寺は見頃を過ぎましたが、山間部から麓へと、この週末から来週にかけて、まだまだ紅葉を楽しめそうです。 第28回でご紹介した“京都で一番早い紅葉”が見られる三尾の神護寺(右京区)では、例年11月上旬が見頃なのですが、ちょうど今、ピークを迎えています。11月下旬の今季一番の冷え込みがやってきて、素焼きの「かわらけ」を投げて厄除けを願う地蔵院あたりも見頃に。散りイチョウの隠れ名所で『源氏物語』ゆかりの岩戸落葉神社も、地元紙が動画で見頃を迎えた様子を流していました。もみじの永観堂(左京区)や清凉寺(右京区)も、同様に見頃となっています。
● 12月上旬が見頃となる紅葉スポット 第30回「いにしえ人が酔いしれた極上の紅葉体験」でご紹介した東福寺(東山区)や世界文化遺産の平等院(今秋のJR東海のキャンペーンポスターになりました!)は一部見頃となり、12月上旬にはピークとなりそうです。 祇園にある建仁寺(東山区)では、境内に点在する木々が染まり始めています。一番の見どころである潮音庭は、「今年の見頃予想は12月中旬」とお寺の方がおっしゃっていたとおり、11月末現在はまだ青もみじの状態です。 これまで取り上げてきた紅葉スポットの現状を見てみました。すでに見頃を迎えている紅葉名所をもし12月上旬に訪れるなら、名残のもみじや、風に吹かれてくるくる舞い踊る木の葉、落ち葉が地面を染める「散りもみじ」など、晩秋ならではの光景というお楽しみが待ち受けています。古都の風趣を余すところなく満喫してください。 その他にも、第24回で限定公開の塔頭を以前取り上げた世界文化遺産の大徳寺にも紅葉の名所があります。大徳寺の塔頭4カ寺のうち、総見院は11月末で終了しましたが、真珠庵と黄梅院は12月8日まで、興臨院は12月15日まで公開されていますので、お庭の紅葉と併せて寺宝を見られるチャンスです。 あまりメディアでは取り上げられませんが、らくたび大注目の穴場紅葉スポットが、世界文化遺産の仁和寺(右京区)です。この真言宗御室派の総本山は、888(仁和4)年、第59代宇多天皇により創建されました。宇多天皇といえば、「学問の神」菅原道真を側近として重用した人物。22歳のときに仁和寺を建て、醍醐天皇に世を託して譲位した後、出家して、自身も仁和寺に入りました。 「きぬかけの路」に面してそびえ立つ壮麗な建物は、二王門(におうもん)。左右には、口を開けたお顔、口をギュッと結んだお顔、阿吽(あうん)の表情をした二王像が一対立っておられます。憤怒の形相をした二王様の間をくぐれば、今年ため込んだ邪気もたちまち吹き飛びそう。仁和寺には、京福電気鉄道北野線(嵐電)「御室仁和寺」駅から3分、市バス「御室仁和寺」停留所ならすぐ目の前です。