DeNA東はなぜ指笛を嫌がった? OB捕手は同情、頭にチラついた“サイン盗み”
野口寿浩氏が分析…大きな音は「サイン盗みを連想して神経質になる」
■DeNA 4ー1 ソフトバンク(29日・みずほPayPayドーム) DeNAは29日に敵地PayPayドームで行われた日本シリーズ第3戦で、先発のエース・東克樹投手がソフトバンクを7回1失点に抑え勝利。対戦成績を1勝2敗とした。東は試合中、観客席から指笛が鳴らされたことについて、球審にアピールする一幕があった。現役時代にヤクルト、日本ハム、阪神、横浜(現DeNA)で捕手として活躍した野口寿浩氏が背景を分析する。 【映像】試合が一時中断…ファンの“行動”にブチギレる選手たち 問題のシーンはDeNAが3-1とリードして迎えた6回1死一塁で、今宮健太内野手を打席に迎えたところで起きた。観客席から指笛が鳴ったことから、球審にやめさせてほしいとアピール。「試合進行の妨げとなる行為はご遠慮ください」「投手が投げる間際の口笛はご遠慮ください」と場内放送で注意喚起され、球場は騒然とした雰囲気に包まれた。 野口氏は自身の経験も踏まえ、「おそらくタイミングの問題だと思います。投手は、捕手のサインを見て、投球動作に入った瞬間に大きな音が鳴れば、サイン盗みを連想して神経質になるものです。僕は捕手としてサインを出している側だったので、その気持ちはよくわかります」と説明。「もちろん今回の場合は、応援に来ていたファンの人たちの行為で、他意はないと思いますが、バッテリーが敏感に反応してしまうのも無理はないと思います。特に東の場合は、わかっていても打てない160キロのストレートを投げるわけではなく、配球、コントロール、キレで勝負するタイプですから、なおさらでしょう」と付け加えた。 今さら言うまでもなく、NPBではグラウンド内でのサイン盗み、スタンドなどからのスパイ行為を禁じている。時には、ベンチやスタンドで鳴らされる音や、二塁走者の振る舞いなどが、捕手のサインを盗んで打者に伝えているのではないかという疑念を生むケースがある。野口氏は「こうした件に関しては、実際にサインを盗んでいるかどうか以前に、攻撃側が疑われるような行為を厳に慎むことが大切だと思います」と強調する。