研究、単位、インターン…ハードな生活 地方国立大の理系院生が〝大手電機メーカー〟に内定するまで
多くの学生が参加するインターンシップ。2025年卒からは、一定の条件を満たせばインターンに参加した学生の情報を採用選考に使えるようになります。学業と就活の両立が課題ですが、理系の大学院生は講義と研究、インターンでハードな生活を送っているようです。withnews編集部には、学業との両立がしんどかったという体験談が届きました。(withnews編集部・河原夏季) 【画像】「いつやるの? ヒマでしょ!」 富山大の就活向けポスターが面白い
しんどかった大学院1年の夏
「大学院1年生の夏、単位の取得、研究、就活で、かなりハードな生活を送ったと感じています。あまりにもしんどく、サマーインターンを諦めようかなと思った時期もありました」 「でも、『今参加しておくと、のちのち楽になる』と感じ、なんとかインターンに参加しました。今になって思えば、とても良い経験をしたと感じています」 そんな体験談を送ってくれたのは、大阪府に住む大学院2年生の男性です。この春から、インターンにも参加した大手電機メーカーで働きます。 国立大学院で物性理論を研究していた男性は、大学院に進学した4月から理系学生に特化したダイレクトリクルーティング型のサービスに登録しました。ダイレクトリクルーティングは、企業が自社に合った人材に直接コンタクトを取る採用手法です。 「学部の間は就活をしてこなかったので、何も分からない状態で始めました。先輩が使っていたサービスを紹介してもらい、自分のプロフィールや研究領域、スキルなどを登録しました」 男性はサービス経由で情報を集め、電機や化学、素材メーカーの研究開発職を目指して活動を始めたそうです。
「遅れてしまう」と思って参加したインターン
6月ごろからサマーインターンのエントリーを始めましたが、想像以上に苦労したのが学業との両立でした。 卒業までの2年間で30単位以上修得する必要があるほか、自身の研究と就活を並行して進めなければいけません。男性は早めに単位を得て就活に備えようと、大学院1年の前期に20単位ほど講義を詰め込んでいたといいます。 「大学院1年の終わりから就活を始めるのでは遅れてしまうと思い、サマーインターンは10~15社応募しました。ただ、研究をしつつ講義も受けながらインターンのエントリーシート(ES)を書くのは大変でした」。ESの提出時期は期末試験とも重なっていたそうです。 A4用紙を使って予定を管理していたという男性。紙に1週間のスケジュールを書いて、「『月曜日はこれ、火曜日はこれをする』となんとか穴を見つけて、やりたいことをはめていきました」と話します。 「電子媒体で管理するのはあまり好きではなく、僕は手を動かした方が覚えやすかったので紙に書きました。個人的には書くことで実感がわいて、やる気につながったと思います。また、視覚化することで自分がこれから何をどうしていかなければならないのかが見え、危機感を持てました」