広島カープ“史上最悪の失速”で「カープ女子」の姿も減った? 「Aクラス陥落」を乗り越えるための課題は「暑さ対策」以外にも
「広島三冠」はならず
9月は4勝18敗、まさかの急失速で6年ぶりのリーグ優勝を逃がし、クライマックスシリーズ進出の3位(Aクラス)さえもキープできなかった。10月1日のDeNA戦を落とした時点で、「勝率5割以下」も決定。9月1日時点では貯金は今季最多の「14」をカウントし、優勝マジックナンバーの点灯も時間の問題とされていたが、歴史的大敗で新井貴浩監督(47)の表情も徐々に厳しくなっていった。 【写真を見る】来年もアツいぜ! これがマツダスタジアム!!
しかし、「変わった」のは新井監督の表情だけではなかった。試合を中継で見た際、一見するとカープファンで真っ赤に染まっているように見える「MAZDA zoom-zoom スタジアム広島」だが、実は空席が目立ち始めていた。特に、かつて球場までこまめに足を運んでいた、カープ女子の姿が減っているという。 「巨人に逆転で勝利した9月21日のことです。殊勲打を放った末包昇大(28)が、『試合途中で帰っていくお客さんを見て悔しかった』と話していました。勝っても負けても、最後まで応援するのが広島ファンでしたが……」(地元メディア関係者) チームの失速を強く印象付けたのは、9月10日からの巨人3連戦だろう。その時点まで、首位巨人を1ゲーム差で広島が追っており、対戦成績は8勝8敗3分け。本拠地・マツダスタジアムに限定すれば広島の4勝1敗2分けで、初戦の先発マウンドを任された森下暢仁(27)も21年10月から対巨人戦12試合で、8勝負けなしだった。この3連戦を3連勝すれば「マジック16」が点灯と、文字通りの首位攻防にして天王山決戦でもあった。 だが、第1戦で森下をKOした巨人は、11日の第2戦でも2点を追う9回、守護神の栗林良吏(28)を攻略して大量9得点で大逆転勝ちを収めた。「広島有利」の下馬評を完全に覆す3連敗となったが、気になったのは、観客動員数だ。10日は3万283人、11日2万9869人、12日が2万9966人である。マツダスタジアムの最大収容人数は3万3000人と発表されている。勝利を予感させる有利なデータがあって、6年ぶりのリーグ優勝に向けた大一番にしてはちょっと少ないのではないだろうか。 「11日はサッカーJリーグのサンフレッチェ広島が、今年2月にオープンした新スタジアムで天皇杯準決勝を戦っていました。そちらにファンが少し流れたのかもしれません。今年、広島のスポーツ熱はかなり高まっていました。5月にバスケットボールBリーグの広島ドラゴンフライズが初優勝を果たし、野球ではカープ、Jリーグではサンフレッチェがともに優勝争いを繰り広げ、『プロ野球、サッカー、バスケの広島三冠』が見られるのではと盛り上がっていました。8月31日、カープとサンフレッチェは同時に首位に立ったのですが…」(前出・同)