私ってうつなの?「今すぐ“メンタル系の医療機関”に行くべき」2つの症状
病院に行くべきポイントは2つ
ハラユキさんは以前取材した精神科医にこんな質問を投げかけている。 「生きていたら落ち込むこともありますよね? どこからが病院に行くべきか…」 専門医によれば、ポイントは2つあるという。 「ひとつめは『死』についてくり返し考えてしまうとき」。 そしてもうひとつは、「妄想や幻覚、幻聴の症状があるとき」。 これを知っていたおかげで、ためらうことなく予約ができたのだという。 WHOのサイトによると、女性のうつ患者は男性に比べて約50%多く見られ、特に妊娠中の女性や出産直後の女性の10%以上がうつ病を経験しているという。 本書では、ハラユキさんの質問に答える形で、精神科医の星野概念先生が女性特有のライフイベントが引き金になるマタニティブルー、産後うつ、育児うつなどについても解説している。 漫画の試し読みとともにお伝えしたい。
産後のうつは誰にでも起こること
――「出産でホルモン量が変化することから起こる、産後の一時的な不安症状をマタニティ・ブルー」と呼ぶそうですが、そうなった時はどんなことを意識したらいいでしょうか。 マタニティ・ブルー(正式名称マタニティ・ブルーズ)で大切なのは、誰にでも生じ得るということです。 こういう人がなりやすいなどの傾向もないので、産後にうつ状態になったとしても自分を責める必要はありません。 ただ産後に限らず、うつ状態の時は自責的になってしまうことが多いので、辛いときは信頼できる人に辛いと話して助けを求めてほしいと思います。 ――暮らしの変化や育児のストレス、過労から、男女ともになるという「産後うつ」「育児うつ」。「子どもをかわいいと思えない」「パートナーや子どもに手をあげる」こともあるとありましたが、産後うつ・育児うつかもしれないと思ったら、どうしたらいいでしょう。 マタニティ・ブルーズと同じで誰でも生じ得る症状なので、自分を責める必要はありません。 大事なのは周りにSOSを発信すること、そして孤立しないことです。 育児の手が足りないことが原因で産後うつになることも多いので、もし周りに相談できたりサポートしてくれる人がいないのであれば、行政への相談をオススメします。 多くの自治体が産後メンタルヘルスの相談窓口を設けていますし、そこに相談することで、育児支援機関やサービスの紹介をしてもらえることもあるからです。 ◇うつ状態の自分と向き合い、一緒に旅するのが病院と医師。道案内に必要な経験と知識を持ち、自分に合うところを選ぶことが大切だという。 さんざん調べて、考え抜いたハラユキさんの選択は、果たして! 後編「抗うつ剤を飲み始めた変化に不安を抱いたら? 治療中のモヤモヤを晴らすために必要なこと」につづく。 ---------- うつ? 更年期? それとも…… 突然やる気がなくなり気持ちは落ちる。息は切れて、とにかくだるい。専門医の診断の結果は「軽度~中度のうつ」だった。 まさか自分が、と戸惑いながらも、うつの本を読みまくり、精神科医に質問しまくり、いろんなケアを試した著者がうつ抜けしていく過程をじっくり描いた網羅的コミックルポ『誰でもみんなうつになる』(ハラユキ著/KADOKAWA)。 ----------
ハラユキ/FRaU マンガ部