日銀・黒田総裁会見9月19日(全文1)マイナス金利を維持
消費増税を控え、打つ手を温存したのか
テレビ東京:テレビ東京の大江と申します、よろしくお願いいたします。日本の直近の指標を見てみましても、あまりさえないものが続いているわけなんですけれども、そうした中でも今回政策を据え置いた理由というのをあらためて教えていただけますでしょうか。やはり10月に消費増税を控えているということもあって、それを考慮してここでは打つ手を温存したということなんでしょうか。まずは1点、そちらをお願いします。 黒田:冒頭申し上げたとおり、海外経済の減速が続いておりまして、まだ回復の兆しがまだ見えてこないということで、海外経済の減速の影響が輸出とか生産に表れているっていうことは事実なんですけども、これも先ほど申し上げたように、消費は比較的底堅く推移しておりますし、それから設備投資はいろいろなアンケート調査等を見ても、かなりしっかりした計画になっておりまして、さまざまな指標もその先行き、そういったしっかり設備投資が伸びるっていうことは示されておりますので、そういうことを全体として見たときに、現状、経済、物価を判断したところ、こういった一方で海外経済の減速が続いているっていうことで、それを通じて輸出とか生産さらには製造業のマインド、いわゆる業況判断に悪化する状況が見られるわけですけど、一方でその消費、設備投資、あるいは住宅投資や公共投資も含めて、内需は比較的堅調に推移しておりますので、今の時点で、経済の先行きがこの後退し、あるいは物価の目標に向けたモメンタムが失われるという状況にあることはないというふうには判断したんですが、先ほど来申し上げているように、海外経済を中心に、下振れリスクが高まっていることは事実ですので、次回の決定会合では、特に展望レポートを議論する会合でもありますし、十分、そういった海外経済の動向も踏まえて、国内経済の動向、経済物価動向を十分点検していきたいということを申し上げたわけです。