「ふかふかで、近未来感」24年ぶりリニューアル!近鉄の"新型車両"誕生の裏側 目玉は緑の座席『やさしば』気兼ねなくベビーカーを置ける
「かっこいい車両に仕上がった」「いい沿線だなと知ってもらいたい」
デビューまで半年を切った今年5月。深夜の車両工場の周りには多くのファンの姿がありました。 (鉄道ファン)「(新型車両を)初めて見るので、めっちゃ緊張してます」 車両の製造は大詰めを迎えていました。モーターなどを取り付けるため、15km離れた近鉄の車庫に新型車両を運びます。滅多に見られない深夜の大移動。長さは約20mもあるため、道を曲がるのも容易ではありません。道幅が狭いところなど、さまざまな難所をクリアし、慎重に進みます。約1時間半かけて、無事、車庫に到着しました。 今年8月、ついに車両が完成。車両の正面部分は、従来の正方形に近いデザインから、八角形にイメージを一新。一方で、側面はおなじみの赤と白のツートンカラーを採用。従来の「近鉄らしさ」も残しました。 (近鉄 喜多陽平さん)「かっこいい車両に仕上がったなと思います。(正面部分は)駅でお客さまがパッと最初に見るところですので、『あ、新しい電車が来た』と。古い電車と新しい電車で、変わった感もありながら、近鉄の電車とわかるようになっていると思います」 座席は混雑状況にあわせて、窓側に背を向ける「ロングシート」にも、進行方向に向く「クロスシート」にも変えることができます。喜多さんがこだわった緑色の座席は、車両ごとに2か所設置。「荷物を置くスペースがわかりづらい」という意見も踏まえ、床は色分けして目立たせました。誰でもくつろげる「芝生」と、「優しい場所」をかけあわせて、「やさしば」と名づけました。 (近鉄 喜多陽平さん)「これから先、当社の沿線に住んでもらうために、子育て世代や観光客向けに快適な車両を提供することで、いい沿線だなと知ってもらいたい」
試乗会のチケットは即完売!「安心して座れる」
そして迎えた9月29日の試乗会。1人8000円のチケットが即完売する人気ぶりです。約120人のファンがひと足早く新型車両の乗り心地を味わいます。「やさしば」の評判は… (試乗した人)「ふかふかでめっちゃ新しくて、近未来感があってめっちゃいい」 (試乗した人)「ベビーカーを置いていいと書いてくれていることで、座ってもいいんだなと安心して座れると思います」 この車両を手掛けた喜多さんも満足げです。 (近鉄 喜多陽平さん)「8A系が沿線を走って、快適だなとか安心だと感じてもらって、『8A系があるからこの沿線に住みたいな』と思ってもらえたら幸いですね」 近鉄の新たな顔は10月7日にデビューです。 (2024年10月4日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」内『特集』より)