流経大柏が3年ぶりに千葉決勝進出! “プレミア組”と“プリンス組”が融合し、誰が出ても「結果も出せる」
[11.3 選手権千葉県予選準決勝 八千代高 1-3流通経済大柏高 柏の葉] 流経大柏が3年ぶりに千葉決勝進出! 第103回全国高校サッカー選手権千葉県予選準決勝が3日に柏市の柏の葉公園総合競技場で行われ、流通経済大柏高が3-1で八千代高に勝利。流経大柏は3年ぶり8回目の全国大会出場をかけ、9日の決勝で日体大柏高と戦う。 【写真】影山優佳さんが撮影した内田篤人氏が「神々しい」「全員惚れてまう」と絶賛の嵐 12年ぶりの選手権出場を狙う八千代の先発はGK竹川大楽(3年)、右SB丸山輝(3年)、CB池田稜(2年)、CB小西陽希(3年)、左SB木村青峰(1年)、中盤は押見公介(3年)と石橋拓己(2年)のダブルボランチ、右SH平川璃迅(3年)、左SH佐々木太朗(3年)、縦関係の前線は須堯恒太(3年)と小金谷優広(2年)がコンビを組んだ。 一方、プレミアリーグEASTで6位につける流経大柏は、GK加藤慶太(3年)、右SB幸田爽良(3年)、CB佐藤夢真(3年)、CB奈須琉世(3年)、左SB宮里晄太朗(3年)。中盤は底の位置にMF島谷義進(2年)が入り、その前方に富山内定の亀田歩夢(3年)と飯浜空風(3年)。湘南内定の右SH松本果成(3年、U-17日本代表)、左SH堀川由幹(3年)、1トップが粕谷悠(3年)という11人で試合をスタートした。 前半3分、流経大柏が先制点を挙げる。堀川とのコンビで左サイドを抜け出した亀田がマイナスのラストパス。これを飯浜が左足ダイレクトでゴールネットを揺らした。流経大柏は直後にも松本のラストパスから粕谷が右足シュート。これは八千代GK竹川が反応し、ポストを叩いた。 その後も、この日、テクニックで違いを見せつけていた亀田がターンから右足シュート。流経大柏がチャンスの数を増やしたが、八千代も左サイドの佐々木が推進力のある動きで相手を押し下げる。15分には、佐々木が左タッチライン際から強引に前へ。そして、攻め上がったSB木村がPAへラストパスを通す。これを平川が左足ダイレクトで決め、同点に追いついた。 前半は押見や小西を軸に可変しながらボールを動かす八千代がより距離感良くビルドアップ。佐々木や須堯のドリブルも効いていた。流経大柏は守りがハマらず、後ろに重くなる展開になってしまう。だが、立ち位置を変え、サイドで奪いに行く形から中央に厚みをもたせる形に変更。守りから修正して立て直すことに成功した。 その流経大柏は右の松本が前へ出る力を見せ、22分には松本の強引なドリブルから粕谷と堀川が連続シュート。34分には宮里の折返しからゴール前のシーンを作った。八千代はDF陣のシュートブロックで粘るも、流経大柏が勝ち越して前半を終える。36分、宮里の左CKをニアの佐藤が頭で合わせて勝ち越し。奈須とともにチームキャプテンを務めるDFの一撃で2-1とした。 流経大柏は後半開始から怪我明けの堀川をMF和田哲平(3年)と交代。その和田が開始直後のドリブルシュートを放つなど、流経大柏が勢いを持って後半に入る。一方の八千代は相手の前からの圧力の前に、勝ち越された後はなかなか前へのパワーを出せなかった。 上芝俊介監督は「プレミアと県1部の強度の違いがやっぱり出たかなと。グッと行きたいところで行かせてくれない。やっぱり流経の圧っていうのはやっぱり凄いなと思います」。流経大柏は後半11分、亀田がドリブルで相手の守りを攻略。中盤から一気にゴール前まで運ぶと、右足シュートのこぼれを和田が決めて3-1とした。 流経大柏は直後に松本とU-17日本高校選抜の10番MF柚木創(3年)を、23分には粕谷とFW 山野春太(3年)を入れ替えた。一方の八千代も後半18分以降、FW高橋知希(3年)、MF秋元颯音(3年)、FW守山晃世(3年)、MF塚本然(3年)、DF中西桃二郎(3年)を相次いで投入する。八千代はゴール前で粘り強い守りを続け、DFラインからボールを繋いで前進しようとするが、流経大柏のハイプレスに苦戦。自陣で相手FW山野にボールを奪われ、柚木に決定的なシュートを放たれるシーンもあった。 流経大柏の奈須は、「自分たちは、武器であるプレッシングのところは絶対負けるっていうのはないので、そこを武器にとにかく全力でボールに食らいつくところとかはできてたかなと思います」。後半、幸田、奈須、佐藤、宮里の4バックが安定し、ドリブルで打開されるシーンも減少。また、島谷がDFラインをカバーし、ゴールに近づけない。 加えて、柚木がドリブルからポスト直撃の右足シュートを放つなど、流経大柏は交代出場の選手にも勢い。八千代は37分、右サイドからチャンスを作るも、相手GK加藤に阻まれる。流経大柏はその後CB富樫龍暉(3年)とFW大藤颯太(2年)を投入。3-1で勝ち、決勝進出を決めた。 流経大柏は過去2年、決勝から遠ざかっていた。本田裕一郎前監督(現国士舘高テクニカルアドバイザー)の後を継いで2021年から指揮を執る榎本雅大監督は、「改めて本田先生の偉大さを知るじゃないですけど、そういう持っていき方とかも含めてまだ自分が幼い部分もあるし、チームとしてやりたいこと、育成の部分でやりたいこともあるんで、そことこの一発勝負との兼ね合いっていうか、そこの照準がなかなかあってこないんですけど」と語るが、悩みながら育成と強化に取り組んできた成果が出て決勝進出。この日はプリンスリーグ関東2部を戦う流経大柏Bから這い上がってきた佐藤や幸田、宮里、島谷が先発として勝利に貢献した。 榎本監督は「本当に(プレミアリーグの選手と)プリンスで伸びてきた選手たちっていうのをここで融合させられたんで、そういう意味では底上げっていうか、それが1番理想的だと思うし、いつも出てる選手がそのまま『俺はリーダーなんだ』みたいな、そういうチームじゃ元々ないので。そういう意味じゃ、その下の選手たちがしっかりチャレンジしてポジション取ってくるっていうのは凄いいいことだなって思っている」と頷く。 “プレミア組”と“プリンス組”の融合。奈須も「怪我人とか出て、新しい選手を使って、逆にそこで新しい選手が結果を出して、今スタメン定着してるっていうのもありますし、ほんとに競争意識っていうのは凄く高い。自分たちは誰が代わっても、100パーセント力出しきれるというか、結果も出せるので、そこは流経の強みだと思います」と胸を張る。 プレミアリーグEAST無敗で迎えたインターハイ予選は決勝で市立船橋高に惜敗。そこからリーグ戦でも苦戦が続いたが、新戦力の台頭もあってより終盤にパワーを出せるようにもなってきている。3年ぶりの決勝の対戦相手は昨年度の準決勝で敗れている日体大柏。「次の試合は本当に死に物狂いで食らいついて、チャレンジャー精神で」(榎本監督)戦い、勝って、千葉のタイトルを奪還する。