【現地発ラグビーANSリポート】アイルランド、北半球王者の貫禄示す。フィジーを52-17と圧倒。
これが世界ランキング2位との差…。フィジーとしてはそう実感せざるを得ない試合だった。 夜通し降っていた雨もあがり、上々のコンディションの中でウエールズを破った勢いを試合にぶつけたかったフィジー。対するアイルランドは前週から2人の初キャップを含む7人を変更した布陣だったが、現時点の世界最強レベルのチームには歯が立たず、北半球遠征最終戦を勝利で飾ることはできなかった。 フィジーはアイルランドの堅い守備に長所をことごとく抑えられ、38㌫というボールポゼッションのスタッツが示す通り、試合を通して攻撃らしい攻撃をほとんどさせてもらえなかった。 それに対しアイルランドは、素早いパス回しでタックルを受けるリスクを減らし、突破役が確実にゲイン。ゴールラインに迫ったところでの決定力も見事だった。フォワードパスからのトライ取り消しが複数回あったことを考えれば、もっと点差がついていても不思議のない内容だった。 最終スコアはアイルランド52-17フィジー。試合後の会見でフィジーのCTBワイセア・ナヤザレヴ共同主将は、「17というペナルティの多さでシンビンも出してしまった。ゲーム全体で攻撃も守備も方向性を見失ってしまった」と落胆した表情で敗因を述べた。 対してアイルランドのアンディー・ファレルHCは終始にこやかな表情。この試合でテストデビューを果たしたFLコーマック・イズチュクをはじめ若いプレーヤーの成長に満足気で、「トライキャンセルとなったプレーはいいプレーだったのに」と笑った。 アイルランドは次週、イングランド、ウエールズを破り復調の兆しを感じさせるオーストラリアの挑戦を受ける。 (文:池貝亨)