【陸上】好調の安立雄斗 三段跳学生歴代6位の16m70で初V! 「日本記録を超えられるように」/日本選手権
◇第108回日本選手権(6月27日~30日/新潟・デンカビッグスワンスタジアム)1日目 【動画】男子三段跳・安立雄斗の自己新ジャンプ パリ五輪代表選考会を兼ねた日本選手権の1日目が行われ、男子三段跳は最終6回目に日本歴代12位、学生歴代6位となる16m70(+0.4)をマークした安立雄斗(福岡大院)が初めて日本一に輝いた。 「記録的にはもうひと押しでしたが、これまで2位続きだったので、自己ベストを更新して優勝できたことは素直にうれしいです」と笑顔がこぼれた。 これまでずっと痛みのあった右足首を昨秋に手術。リハビリを経て「痛みもなくなり、安定して練習、助走ができるようになったことが大きい」と話すように、4月の織田記念で16m46(+0.2)の自己ベストを跳んで優勝するなど、春先から好調をアピールしてきた。 調整として挑んだ11日前に行われた日本学生個人選手権でも追い風参考ながら、そのベストを1cm上回る16m47(+2.1)で1位となり、日本選手権制覇に向けて、順調な仕上がりで新潟に乗り込んでいた。 1回目こそ、助走がうまくかみ合わず15m62(-0.8)に終わったが、2回目に16m28(+0.8)を跳びトップへ。「徐々に助走からホップへの抜けがかみ合うようになってきた」と後半に入った4回目に16m52(+0.5)をマーク。「最後は、初優勝を決め、気持ちよく集中して跳ぶことができた」とビッグジャンプにつなげた。 リハビリ中に、これまでの自身の跳躍を一から見直し、「助走はもちろん、雑だった1つひとつの動きや技術の精度を上げるよう意識して取り組んできたことが少しずつ形になってきています」と好調の要因を口にする。 今回、ベストを一気に24cm更新したものの、決して満足していない。今回6位で同学年の伊藤陸(スズキ)が2021年の日本インカレで17m00の日本歴代4位をマーク。「自分も早く17m、そして17m15の日本記録を超えられるよう成長していきたい」ときっぱり。ライバルとともに日本のお家芸を盛り立てていく心構えだ。
花木 雫/月刊陸上競技