ハイチュウ、ポッキー… なぜ日本のお菓子が海外で人気なのか?
■スノーボード金メダリストが支持する『カール』 海外の著名スポーツ選手が、日本のお菓子を大好物だと公言した例は他にもある。アメリカのスノーボード選手で、トリノ、バンクーバー両五輪の金メダリストであるショーン・ホワイト選手は、明治の「カール」チーズ味が大好物だとされる。明治によると、カールは現在、アメリカやアジア諸国など5か国で販売。中でも、アメリカではここ15年で、販売は1.5倍に伸びているという。同社は、日本のお菓子の人気の理由について「品質の高さやおいしさ、ユニークな外形などが受け入れられているのでは」と話す。 厳しいプロスポーツの世界では、ほんの1ミリ、0・1秒の違いが命取りになる。そうした世界で生き抜くために、鋭敏な感覚を研ぎ澄ませてきたトップアスリートだからこそ、日本のお菓子の繊細な味わいに感嘆するのかもしれない。そして、そうしたトップ選手に憧れる子どもやファンたちは、彼らがお勧めする商品なら、喜んで取り入れるであろうことは想像に難くない。SNSの発達で良い商品や情報がすぐさま共有・拡散されるようになったことも、日本のお菓子の人気の背景にありそうだ。 ■海外で人気が高まりつつある日本のお菓子 日本から海外へのお菓子の輸出は、確実に増えている。全日本菓子協会(東京都港区)が発表している菓子統計によると、2013年の海外への菓子の輸出金額は、159億6287万8000円。前年と比べ21.1%も増加した。品目別にみると、キャンディー類は39億7296万4000円で33.5%増加。チョコレート菓子(2キロ以下)は25億4464万9000円で22.8%増加となっている。 こうした輸出の増加には、菓子メーカーが直面する国内事情もひとつの背景にある。少子化が進む中、お菓子を好む子どもの絶対数が減っており、日本市場は頭打ちとなっている。このため、各社とも生き残りをかけて海外に活路を求めている。また、コンビニなどで売られるプライベートブランドの増加も、菓子メーカーには脅威だ。そこで、消費者に広く浸透したロングセラー商品を押し出すことが、有効な対抗策にもなっている。