「うま味調味料」問題も一刀両断!「エリックサウス」稲田俊輔は、なぜ日々食の悩みを解決し続けるのか
セブンイレブンとのコラボでも話題に…南インド料理専門店「エリックサウス」の総料理長・稲田俊輔とは
稲田俊輔。南インド料理専門店「エリックサウス」の総料理長で飲食店プロデューサー。最近ではセブン-イレブンとのコラボでもよく知られる存在だ。 【「400円の壁」崩壊】美味すぎ! レトルトカレー戦国時代の勢力図 そのような“本業”だって十分すぎるほど多忙かと思うのに、ブログにSNS更新に連載エッセイ、レシピ本など、書き物の量もやたらと多い。 エリックサウスの店舗でのコースメニュー解説なども、その料理に込めた思いがぎっしりしたためられていることが多く、味、そして見た目に加え、文字情報からもその料理の魅力を感じることができる。 さらに稲田さんは、ウェブ上などで食に関する悩みや疑問に、けっこうな頻度でこたえていることでもよく知られる。 その受け答えのトーンがまた、ジャンクなことやもしかしたら恥ずかしいかもしれない食へのこだわり、「しょうもない」とされるようなもの、そんなものでもちゃんと向き合い、ちゃんと回答してくれる。 時にそれは大喜利や無茶振りのような質問を呼ぶことになっているかもしれないが、稲田さんが食に感じる好奇心の振り幅はやたら広いのだろうか、それらに対してきわめて真摯に、時には笑いの要素を交え、あるときは「斜め上」から、いずれも軽妙な書き口で答えてくれるさまが人気だ。 それら質問と回答を厳選したものが、『食いしん坊のお悩み相談』(リトルモア)として一冊にまとめられ刊行された。 ◆「若い女子に『スパゲッティー』と言ったら笑われました」 「ラーメンにナルトは要る?」 「ファミチキはなぜおかずにならないのか?」 「弁当の下に敷いてある白いスパゲティにどう向き合うべき?」 「夫が作る料理がいまいちおいしくないです」 「『こういうのでいいんだよ』という言い回しについて思われるところは?」 といった質問・悩みのラインナップをピックアップするだけで、そのノリはなんとなくつかめるだろうか。 それらにどう返すかといえば、たとえば「イナダさんにとって一番かっこいい調味料って何ですか?」という質問には、「独自の世界観を大事にしていて媚びないけどキャッチー、タバスコは最高にかっこいいです」。 それから、「若い女子に『スパゲッティー』と言ったら笑われました。そんな感覚ではモテないとは思いますが、これからも言い続けます」という悩みには、「スパゲッティと言い続けることはとても大事なことなので、このまま頑張ってください」とエールを送ったうえで「モテは心のエネルギーですが、人は誰しもがいずれ、それを外部からの供給に頼らない再生可能エネルギーに置き換えていかなければならなくなります」と、“モテ”についてもどこか壮大な(?)視点からアドバイスもしてくれたりする(※それぞれ本書より抜粋し要約)。時に「しょうもない」ようでもあり、時に「食」という存在そのものの根源に哲学的に迫るようでもあり、そんなQ &Aが64本。