推しが炎上したときのメンタルケア術って? 5つのケースに専門家がアンサー
もし自分の推しが炎上したらどうしたらいい? 臨床心理士・公認心理師で、SNSでもメンタルヘルスの情報を積極的に発信するみたらし加奈さんに、心がけたいメンタルケア術の心得をASK。「SNSに張り付いて、推しが誹謗中傷されている投稿を見てしまう」「推しの援護射撃に走ってしまう」など、5つのケース別の対策方法についても話を伺った。
そもそも、推しの炎上が増えているように感じる理由って?
すっかりメジャーとなった推し活。その反面、推しが炎上する機会というのも増えてきたような気がする。なぜ推しは燃えるのか。 「一概に言える話ではないのですが」と前置きを入れた上で、みたらしさんは推しが炎上する理由に「スマホによってプライベート空間に推しを持ち込みやすくなったこと」を挙げる。
「それまでは、推しの出ているコンテンツを見ようと思っても、家族のみんながいるリビングのテレビといったケースが多かったと思うんですね。でも、スマホが普及したことで、自分の部屋はもちろん、お風呂からトイレまで、あらゆるプライベート空間で推しにふれられるようになった。心理的距離が近づいたことで、以前よりずっと推しに自分を投影しやすくなっている状況が、さまざまな現象の要因の一つになっているのではないでしょうか」
そもそも推しとファンは自他の境界線が曖昧になりやすい性質がある。 「推しにそれだけ興味を持ち、心が動かされるのは、自分自身の心の投影対象だから。それ自体は自然な反応ですが、スマホやSNSが拍車をかけてしまっているのが現代の推し活の危ういところですね。無意識のうちに推しを内なる自分と置き換えて見ているので、つい推しが傷つけられると自分も傷つけられたような気持ちになってしまう。その結果、叩いている相手に反撃しに行ったり、推し自身に攻撃の矛先を向けてしまったりするんです」
推しは、日常に彩りや潤いを与えてくれるもの。推しを推すことで、心身が不健康になってしまっては元も子もない。ヘルシーな推し活を楽しむために、どんなことを心がければいいのか。推しとの距離感を間違えない3つのTipsを、みたらしさんが教えてくれた。 1.自分の感情の正体に気づいてあげること 2.専門家に頼ること 3.複数の依存先を持つこと それぞれどういうことか。推しが炎上したときのファンの反応を例に挙げながら、“闇堕ち”しない推し活の方法を考えていきたい。