故障禍で出遅れたB2の優勝候補 ライジングゼファー福岡が反撃中 新加入ランダルが2戦連続2桁得点
バスケットボール、りそなBリーグ2部(B2)西地区のライジングゼファー福岡が息を吹き返してきた。優勝候補に挙げられながら2勝6敗とスタートダッシュに失敗したが、10月27日の奈良戦から5連勝。中でも新加入のアンドリュー・ランダル(34)が福岡でのデビュー戦となった11月11日の愛媛戦から2試合連続で2桁得点し、チームに勢いをもたらしている。 ■一丸で快進撃!仲良し自撮り14ショット【写真】 昨季B3リーグの香川でプレーしたランダルは、今季は開幕時に所属先がなく約1週間前に米国から再来日したばかり。全体練習に2回しか参加できていなかったが、2022~23年シーズンに1部(B1)のFE名古屋で1試合平均11・8得点をマークした突破力は健在だった。自らドリブルでボールを運び、そのままゴール下まで切り込んで次々と得点。11日のホーム愛媛戦でいきなり15得点、9リバウンドをマークすると、12日の愛媛戦でも16得点、6アシストと大暴れして試合のMVPに選ばれた。浜口炎監督は「時差ぼけもありながら、チームプレーを覚えてきているし、リーダーシップも取れる。何より所属が決まっていなかった中で、米国でしっかりトレーニングしてきたんだなというのが非常に素晴らしい」と絶賛した。 福岡は開幕直後からボール運びに苦慮し、ターンオーバーから失点が続いていた。さらに1部(B1)川崎などで実績を残してきたスペイン出身のパブロ・アギラール(35)が10月末に右腓腹筋(ひふくきん)筋膜不全断裂で全治8週間と診断され、年内の復帰が難しくなった。さらに203センチの橋本晃佑が右橈骨(とうこつ)骨幹部骨折で全治未定。日本国籍を持つウィル・クリークモアも右膝を負傷して契約解除となり、ビッグマンが次々と離脱した影響でチームは出遅れた。ジョシュア・スミスが右足首を痛めながら奮闘して白星を重ねていたが、負担が大きくかかっていた。 課題が山積みだったが、自らボールを運べるランダルの加入でガード陣の負担が軽減。ゴール下へ切り込むことで相手の守備を引きつけることになり、外角シューターたちがノーマークで3点シュートを打てるようにもなった。12日の試合は西川貴之が3本決めるなど、チームの3点シュートの成功率は48・3%。浜口監督は「ペイント(ゴール下)に入って得点もできるし、パスも供給できるのが彼(ランダル)の良さ」と頼もしげに見つめた。 攻撃パターンが多彩になったことでスミスの負担も軽減。さらに14日には5人制の日本代表歴があり、2021年東京五輪で3人制男子日本代表としてプレーした米国出身のアイラ・ブラウン(42)も加入した。16、17日は西地区首位の静岡戦、23、24日には同2位の鹿児島戦とアウェーでの試合が続く。ランダルは「タフな試合が続くが、自分たちの力を試す良い機会。1%でも日々成長し続けることで良いチームになる」と、試合を重ねながら選手同士の連係を高め、目標のB1昇格に近づけていくつもりだ。(末継智章)
西日本新聞社