60歳の夫が、退職金で「トヨタの86」を買いたいと言っています。貯金が「3000万円」あり、年金も2人で「月20万円」なのですが、本当に信じても大丈夫でしょうか? 老後の蓄えが減るのが不安です…
定年退職の時期が近づくと「貯金や退職金、年金があれば老後は問題なく過ごせるのか、それとも厳しいのか」が気になる人は多いかもしれません。漠然とした老後への不安を抱えながらも「今まで一生懸命仕事を頑張ってきたから、自分へのご褒美に何か買いたい」と考える人もいるのではないでしょうか。 本記事では、60歳で車好きの夫が「退職金で夢だったトヨタの86を買いたい。老後は退職金を含めた貯金3000万円と毎月20万円もらえる年金でやり繰りすれば問題ない」と言ってきたら信じても問題ないのか解説します。 ▼トヨタ「アル・ヴェル」は月々でいくらの支払いが必要? 返済額を試算してみた! 今回は60歳で定年退職してその後年金以外の収入はなく、年金は繰上げ受給せず通常通り65歳から受け取るものとします。
トヨタの86を買うのに必要な金額は350万円以上?
今回は、トヨタ「GR86」の新車を現金一括で購入すると仮定します。86には複数の価格・グレードが存在し、現時点で価格は300万円から350万円程度となっています。 例えば、AT車である「SZ 6速オートマチック(6 Super ECT)」の本体価格は325万1000円で、オプションをつけずにウェブ見積もりをすると税金や諸費用込みで合計350万円程度かかります。 車は本体を購入すればそれで終わるわけではなく、安全に乗るためには維持費がかかります。ソニー損保の「2023年全国カーライフ実態調査」によると、1ヶ月あたりの車の維持費の全体平均額は1万3500円となっています。ただし、これらには自動車税やローン返済、高速道路通行料などは含まれていません。 また、それぞれの相場は車種やグレード、住む地域などによって大きく異なることがあります。例えば、駐車場代は3000円程度で借りられる場所もあれば3万円程度出さなければならないこともあります。仮に、毎月の駐車場代が3万円かかる場合は、車の維持費だけで5万円近くかかるかもしれません。
老後生活は夫婦2人で毎月30万円以上かかる?
60歳時点で退職金を含めた貯金は3000万円ありますが、年金は65歳から受け取り始めるため「5年間は無収入」で生活しなければなりません。 老後の生活費はいくらかかるのかについては、総務省統計局が家計調査報告(家計収支編)で公表しており、2023年の「65歳以上の夫婦のみの無職世帯」の実支出は28万2497円です。つまり毎月30万円近くの支出が発生することが分かります。 これは通常の生活で必要な金額であり、例えば急に大きな病気やけがをして長期間の通院や入院が必要となるなど、不測の事態が発生すると支出規模はさらに膨らむ可能性があります。これらを総合的に考慮すると、場合によっては平均30万円以上の支出が発生するかもしれません。