60歳の夫が、退職金で「トヨタの86」を買いたいと言っています。貯金が「3000万円」あり、年金も2人で「月20万円」なのですが、本当に信じても大丈夫でしょうか? 老後の蓄えが減るのが不安です…
毎月30万円かかる場合、家計への影響はどうなる?
60歳時点で「SZ 6速オートマチック(6 Super ECT)」の新車を一括購入して、車の維持費は月額3万円かかり続けるとします。そのうえで、夫婦2人で毎月30万円の生活費がかかる場合、今後の家計はどうなる可能性があるのか考えてみます。 初年度は車だけで本体と維持費込みで約386万円です。年金やその他の収入もないため通常の生活費も360万円の赤字です。不足分は貯金から補填すると、初年度のみで残額は2254万円まで減少します。65歳まで全額貯金を切り崩す場合は、年金をもらい始める頃には670万円まで減ってしまう計算です。 65歳から夫婦合わせて毎月20万円の年金を受け取り始めても、赤字額は少なくなるもののゼロになるわけではありません。生活費と車の維持費で年間156万円の赤字となり、もともと3000万円あった貯金は70歳を迎える前に底をついてしまいます。
年金収入に依存しないことが重要
現在は80歳を過ぎて100歳まで長生きする人が少なくありません。厚生労働省が公表しているデータでも、2022年の平均寿命は男性が約81歳、女性は約87歳となっています。もし85歳まで生きる場合、70歳で資金がなくなると残り15年間の生活費をどうするのかを考えなければなりません。 今まで仕事を頑張ったご褒美に退職金で車などを購入すること自体は決して悪いことではありませんが、家計へ影響を与えるのは事実なので、老後もできる限り働いて年金収入に依存しない形をとることが重要といえるでしょう。
まとめ
本記事では、「貯金3000万円」あれば、自分へのご褒美に車を買っても問題ないのか解説しました。たとえ貯金が数千万円あっても「老後は安泰」とは限りません。想像以上のスピードで資金がなくなる可能性もあるとの前提で対策することをおすすめします。 出典 トヨタ自動車株式会社 GR86 価格・グレード ソニー損害保険株式会社 2023年全国カーライフ実態調査 総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要 厚生労働省 令和4年簡易生命表の概況 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部