TikTok、米国での禁止法差し止めを連邦最高裁に申し立て
(ブルームバーグ): 動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」と親会社である中国のバイトダンス(字節跳動)は、米国で来月に予定されている事実上の禁止法の施行差し止めを連邦最高裁に求めた。1億7000万人強のユーザーを抱える米国市場で運営を継続するため緊急の申し立てを行った。
TikTokとバイトダンスは、会社側の上訴を判事が審理する是非を検討する間、来年1月6日まで新法施行の一時停止を裁判所に要請した。バイトダンスがTikTokの米事業を売却しない限り、米国でのTikTok利用が禁止される。
最高裁が介入しなければ、トランプ次期米大統領の就任式前日の1月19日に禁止令が発効する。司法省が法律の施行を担当しているため、トランプ氏の姿勢は1月20日以降、禁止令の実際の運用の在り方にも影響する可能性がある。
TikTokは「新政権が同法の施行を一時停止するか、あるいは最も深刻な影響を緩和しようとする合理的な可能性がある」と主張。「TikTok禁止法施行は、新政権が数時間、数日、あるいは数週間後に禁止措置を停止するだけなら、当事者や一般市民、裁判所のいずれにとっても利益にはならない」と論じた。
トランプ氏は16日、大統領在任中の2020年に同アプリに対して取った強硬姿勢を撤回することを検討すると述べた。
フロリダ州の私邸「マールアラーゴ」で記者会見したトランプ氏は「TikTokについては検討するつもりだ。私はTikTokに思い入れがある」と述べ、共和党が若い有権者層の票獲得で前進したのは同プラットフォームのおかげだと指摘。「TikTokはインパクトがあったため、われわれは検討している」と付け加えた。
TikTokは新法をまとめた連邦議会について、同社を標的にし、憲法修正第1条で定められた言論の自由を侵害したと主張している。連邦高裁はこの主張を退け、議会は国家の安全保障とユーザーのプライバシーを保護するために正当な行動を取っているとの判断を下していた。