カリフォルニア大学、気候変動講座の単位取得を卒業要件に
記事のポイント①米・カリフォルニア大学が気候変動講座の単位取得を卒業要件にする②主要な公立大学のなかでは初めての取り組みとなる③「気候正義」や「エネルギー経済」など40の講座を用意する
米・カリフォルニア大学サンディエゴ校は気候変動講座の単位取得を卒業要件にする。このような取り組みは米の主要公立大学のなかでは初めての取り組みだという。「気候正義」や「エネルギー経済」など40の講座を用意しており、これらのうち1つの講座の単位を取得することを卒業要件に加える。(オルタナ編集部・萩原 哲郎)
24年度に入学した学生から、40の講座からひとつを受講して「気候変動を理解し、それに取り組めること」を新しい卒業要件に加えた。約7000人の学生が対象となる。 講座は人類学や歴史学、視覚芸術などの様々な学術領域から用意する。これらのうち「自然災害」や「地球上の生命と気候」などの11講座をサンディエゴ校にあるスクリップス海洋研究所が提供する。 サンディエゴ校学長は今回の取り組みについて「STEM(科学・技術・工学・数学)や人文学、社会科学などを専攻するいずれの学生も、気候変動に対する深い理解を身に着けて、有効な解決策を打ち出すことに寄与するだろう」とコメントする。 気候変動講座の受講を卒業要件に組み込むことは23年10月に決定した。開始してから5年を経過した際に、レビューを行う予定だ。こういった取り組みは主要な公立大学では初となる。これまでは私立大学や教養課程を主体としたリベラル・アーツ・カレッジなどの実施例があるのみだった。 AP通信の報道によれば、米国では気候変動に特化したプログラムや専攻を創設するケースが増加している。カリフォルニア大学の取り組みは、ほかの公立大学にも拡大する可能性がある。