クルマ好きの理想はコレだよコレ! いま考えると「スマートロードスター」は夢のようなクルマだった
スマートが手がけたスポーツカーを発見!
2003年に発売され、未来的なスポーツカーというイメージでクルマ好きをワクワクさせてくれたスマート・ロードスター。次世代ヘの環境性能を重視した斬新なコンパクトボディと、1960年代ライトウエイトスポーツカーをオマージュしたデザインが融合した、唯一無二のキャラクターでした。 【画像】スマート・ロードスターのインテリアなどのそのほかの画像を見る あれからもう20年が経過したわけですが、最近はコンパクトなスポーツカーがほとんど消えてしまったこともあるのでしょうか、中古車市場では現在、200万~300万円近い価格で取引されるモデルがあることから、その希少性が再び注目されつつあるのかもしれません。 そもそも「スマート」とは、ダイムラークライスラーとスイスの時計メーカーのスウォッチが手を組み、次世代に相応しいマイクロコンパクトカーの生産・販売を行うべく1994年にスタートした自動車ブランド。ふたり乗りコミューターのsmart for twoをはじめ、カブリオレや4人乗りハッチバックモデルなどが、欧州や日本でもセンセーショナルを巻き起こしました。 そんなスマートが、「ライトウエイトスポーツカーとして運転する楽しさと安全性、環境適合性を高次元で両立」したというスポーツモデルこそ、ロードスターとロードスタークーペです。 専用プラットフォームを採用し、全長3430mm、全幅1615mm、全高1205mmのコンパクトサイズで、鋼鉄製の頑丈な骨格である「トリディオン・セーフティセル」に樹脂製ボディパネルを組み合わせた構成となっています。 両者が異なるのはルーフの部分。ロードスターのルーフは、スイッチで約10秒の速さでオープンにすることができる電動ソフトトップです。サイドレールをはずすと、ロールバーを残してフルオープンにすることもでき、より開放的なドライブが楽しめるのが魅力的。これはスマート・カブリオでも同様の仕組みとなっていました。
パワーこそないものの軽快さがクセになる
一方で、ロードスタークーペのルーフは左右に2分割してはずすことができる「ディタッチャブルハードトップ」が備わっています。強化ポリウレタンフォーム製となっており、片方の重さが5kgなので簡単に取り外しが可能。外したあとはラゲッジスペースに格納できるようになっているので、出先でちょっとだけオープンエアを楽しみたい、なんてときに取り外すこともできます。 そして、リヤに搭載されるエンジンは、698ccの直列3気筒SOHCインタークーラーターボ。専用チューニングのため最高出力82馬力、最大トルク11.2kg-mで、スマートシリーズとしては1番パワフルなユニットです。トランスミッションは、当時セミオートマとか2ペダルMTとか呼ばれた6速MTの「ソフタッチ」で、ステアリングにはパドルも付いていて、思いどおりのシフト操作が行えるようになっています。 後輪駆動のRRレイアウトなので、走りはとってもヤンチャかつ爽快。過度な制御技術も付いていないため、いまドライブしたらかなりドライバーの腕前に頼るところが大きいと感じる乗り味かもしれません。 タイヤサイズがロードスターは15インチ、ロードスタークーペは16インチで、車両重量はロードスターのほうが20kg軽量となっているので、やはりロードスターの方がよりライトウエイトスポーツらしさを楽しめるモデルと位置付けられていると感じます。 ラゲッジスペースはフロントに深さのあるスペースがあり、リヤには浅い小さなスペースがありますが、全体の容量はロードスターが145リットル、ロードスタークーペが248リットルほど。実用的とはいえませんが、旅の荷物もギリギリ積めるくらいには備わります。そんなところも、等身大で遊べるコンパクトスポーツカーとしてはちょうどいい要素。 ちなみに発売当初の価格は、ロードスターが255万円、ロードスタークーペが278万円。インテリアなどが上質になる「BRABUS」や、本革シートとなる台数限定の特別仕様車などもリリースされたので、中古車市場でお気に入りを見つけてみてはいかがでしょうか。
まるも亜希子