新興メーカー「AYANEO」のAndroidゲーム機の突き抜け加減がすごい
さまざまな本格ゲームを遊べる。ただしちょっと(物理的に)重い
Androidゲーム機というのは要するに、コントローラーを備えたAndroidタブレットなのですが、これがあるとないとでは大違いです。特に外部コントローラーが必須のクラウドゲームやリモートプレイを遊ぶユーザーにとっては多くの意義があります。寝転がりながらAndroidゲームを遊べるのは、このデバイスならではの特典です。 USB外付けコントローラーに対応しているゲームなら、コントローラーをそのまま利用できます。たとえば『Minecraft』では特に設定も必要なく、快適に動作できました。 クラウドゲームの「Xbox Cloud Gaming」や「GeForce NOW」で、PC向けの本格ゲームタイトルを手軽に楽しめるのもこのデバイスならではのメリットです。AYANEOの小型ゲーミングデバイスの中でもコンパクトで、Androidで動作するため4~5時間はストリーミングしつづけて遊べます。 実際にXbox Cloud Gamingで検証してみたところ、『OCTOPATH TRAVELER』のような描画の変化が多くないゲームは快適に遊べました。3Dレンダリングを多用するような作品は、Wi-Fi 6のネットワークでも描画が安定しない場合があったので、どちらかというと動きの少ないRPGの方が適しているようです。 また、Androidには『原神』のようにタッチパネルのみのゲームも多々あります。この場合は、コントローラーのキーをタッチ操作に割り当てるキーマッピング機能を利用できます。『原神』の場合はキーマッピングを利用することでかなり快適に遊べるようになりました。 なお、Androidタブレットの一種ですから、縦持ち型のゲームをプレイすることもできます。感覚としては、縦長の小型タブレットを持っているような持ち方になります。縦画面と横画面を行き来するタイトルとして、『学園アイドルマスター』もプレイしてみましたが、コントローラーの存在を気にせず快適に操作できました。 ただし、キーマッピングは現状ではゲームタイトルごとに手動で割り当てる必要があり、その点は手間も感じました。特に『PUBG』のような視点移動を割り当てる必要があるゲームでは割り当てが難しくなっています。このあたりは有名タイトルごとに設定済みプロファイルを提供する方針を示しているため、アップデートでの改善が期待できそうです。 気になるのは約350gの重さ。iPad miniやNintendo Switch Liteより重く、iPad Airよりは軽いという程度でしょうか。長時間ゲームに熱中していると、腕に疲労感を感じることがありました。 AYANEO Pocket Sの価格は8万9800円(税込)~。既存のゲーミングスマホよりも割安な価格帯に抑えてきました。2台持ちでゲームに特化したAndroidスマホがほしい人、特に『原神』や『崩壊:スターレイル』をがっつりとやりこみたい人には、理想的な2台目端末となり得そうです。クラウドゲームのサービス内容充実を見据えて、いまからゲーム機をそろえておくのもありでしょう。
石井 徹