錦織に逆転負けのカレノブスタが激怒抗議した審判判断の是非を巡って論争
全豪オープンの男子シングルス4回戦が行われ、世界ランキング9位の錦織圭(29、日清食品)が同23位のパブロ・カレノブスタ(27、スペイン)とグランドスラム大会で自身最長となる5時間5分のフルセットの激闘を戦い2セットダウンから6-7、4-6、7-6、6-4、7-6で逆転勝利した。錦織は、3年ぶり4度目のベスト8進出を決めたが、今大会から最終セットのみ10点先取のルールが導入されたタイブレークで、カレノブスタが、主審が下した判断に激怒の抗議を行う場面があり、そこから一気に流れが変わった。 8-5とリードしたカレノブスタのパッシングショットを線審は、アウトの判定。それを聞いたカレノブスタはもうプレーをやめたが、錦織はリターンした。カレノブスタはチャレンジを要求して、判定はインだったが、ポイントは、そのインのボールをウィナーにした錦織のものとなったため、主審へプレーのやり直しを求めて猛抗議したのだ。だが、判定は覆らず、ショックのカレノブスタは、そこから5ポイントを連続で失って逆転を許し錦織からの“金星”を手にし損なった。 試合後も、怒り沸騰のままだったカレノブスタは、主審との握手を拒否し、真っ赤なラケットバッグをコートに投げつけて何やら大声で吼えた。会場からはブーイングが起きたが、その観客に向かっても怒鳴り声を上げた。 ただカレノブスタは、試合後会見で「5時間を戦った後で自分はとても悲しかった。コートから去るときの態度は正しくなかったし、申し訳なかった。あれは自分(の姿)ではない。このように全豪オープンを去らなければならないのはつらいこと。信じられないプレーができていたと思うし、圭も本当に良いプレーをしていた」と謝罪した。 だが、海外メディアの間では、このカレノブスタの猛抗議を受けつけなかった主審の判断の是非を巡って論争が起きている。 オーストラリアのニュースサイトnews.com.auは、この問題のプレーについて「線審の遅い判定のせいで、カレノブスタが、錦織のバックハンドを返さなかったプレーに対して主審が論争を呼ぶ判定を下し(論争の)マッチに火がついた」と紹介。 「カレノブスタは判定が覆されたことでプレーを止めたと猛烈に抗議したが、ポイントは錦織に与えられたままだった。トーマス・スウィーニー主審は、カレノブスタのショットが誤ってジャッジされたが、いずれにしろ錦織はプレーを続けてウィナーを決めていただろうとして錦織にポイントを与えた。『(最初のアウトという判断が間違っていなければ)錦織のショットを返すことができたかもしれない』というカレノブスタの主張は、ポイントのリプレイを拒否した審判により、論争を伴って一掃された」と、問題の場面を詳しく説明した。