錦織に逆転負けのカレノブスタが激怒抗議した審判判断の是非を巡って論争
記事では、テニス評論家の見解が紹介されており、錦織のコーチを務めたこともあるブラッド・ギルバート氏は、ツイッターで「タイブレークが8-5のスコアで盛り上がっている状況でPCB(パブロ・カレノブスタ)は主審からポイントを奪われてしまった。あのポイントは、リプレイされるべきだったと思う。それでもスペシャルK(錦織圭)はもうポイントを失わなかっただろう」「あの終わり方には驚かされた。PCBは完全に切れてしまった。彼が本当に気の毒だ。主審は誤った判定を下したと思うが、めったに見ることのない主審の判断だった」と主審の判断を批判した。 またグランドスラム大会でダブルス7勝をあげているオーストラリアのジョン・フィッツジェラルド氏も、「あれは彼の本当の姿ではない」と、試合後も怒りを見せたカレノブスタを擁護。 「彼は堂々と胸を張れる。ただ最後に少し見失っただけだ。両選手を讃えなければならない。2人の戦士だ。言葉がない。最後に少しばかりこじれたことは取るに足らない。我々が見たスペクタクルな試合の価値を下げさせないようにしよう」と、この問題には触れずに激闘を演じた2人を称えた。 米スポーツメディアのESPNは、カレノブスタが、「あれは審判のミスだったと思う。コート近くにいた審判(線審)のミスだった。もし(主審が)錦織にポイントがいくと思っているならば、なぜホークアイ(映像を使った審判補助システム)を要求できたのだろうか。もしホークアイを要求して、自分のボールがアウトであれば、ホークアイ(のチャレンジ)が失敗だったということ。ホークアイを要求して、ボールがインだったのに、自分はポイントを失ってしまった。理解できない」と主張していることを記載。 この主張に対して、1987年ウィンブルドン覇者のパット・キャッシュ氏はツイッターで、「錦織対カレノブスタの論議を呼んだポイントは、リプレイされるべきだった。そのことが雄弁に説明されている」と、カレノブスタに同情を寄せ、審判の判断を批判した。 カレノブスタは、冷静になってから怒りの矛を収めたが、あのポイントで流れが一気に変わったことは確かである。ただ錦織が、もしあそこであきらめてリターンを返していなければポイントになることはなかった。最後の最後まで勝負をあきらめずに集中力をキープし続けた錦織の姿勢が引き寄せた審判の疑惑のジャッジだったのかもしれない。